寒くなる前に始めよう!子どもがかかりやすい冬の感染症と予防法

衣替えの季節を迎え、地域によっては樹木が色づき始めているのではないでしょうか。急に寒くなったり暑くなったり、季節の変わり目は体調を崩しやすくなりますが、皆さんはいかがお過ごしですか?

これからの季節は乾燥が進み、感染症が流行しやすくなります。子どもたちの体調管理には特に気を配りたいものですよね。どのような病気に気をつけるべきなのか、今のうちに確認しておきましょう。

子どもの感染症と予防

感染症は、主に細菌やウイルスといった病原体が身体に侵入することで発症する病気です。冬は気温が下がり乾燥も進むので、特に乾燥を好むウイルスの活動が活発化します。一方、人は気温の低下とともに体が冷えやすくなります。体温が下がると病原体への抵抗力が落ちやすくなります。

熱中症の不安がなくなる冬は、水分補給を呼び掛ける声が減ります。汗をかく機会も減るので、水分摂取量が少なくなりがちです。空気が乾燥している上に体内の水分量が減ると、鼻やのどの粘膜が乾燥して、免疫機能が十分に発揮できなくなり、多くの人が感染症にかかりやすくなります。

感染の主な経路

細菌やウイルスが感染する経路は主に4つ考えられます。

  1. 空気感染
    空気中を浮遊する病原体が口や鼻から体内に侵入して感染する。
  2. 飛沫感染
    感染者の咳やくしゃみによって空気中に飛散する体液の細かい粒(飛沫)が他人の粘膜に付着して病原体に感染する。
  3. 接触感染
    共用のタオルを使ったり、手すりなどを触ることで病原体に感染する。
  4. 経口感染
    病原体が手に着いた状態で口や鼻を触ったり、ウイルスなどに汚染された食品を食べたりすることで感染する。

こまめに手洗いをしたりして、日頃から感染予防に努めましょう。インフルエンザのようにワクチンがある場合は積極的に摂取して、感染しても症状が軽く済むように準備しておくことも大切です。

室内の温度と湿度に気をつけよう

細菌は高温多湿を好みますが、ウイルスは乾燥した環境を好みます。双方の活動を抑えるには室温を18℃~20℃、湿度を50%~60%に保つと良いとされています。

暖房器具を使用して室温を高くすると屋外よりも乾燥がひどくなるので、各部屋に加湿器を設置するのが理想です。濡らしたタオルを室内に干したり、水を入れたコップにコーヒーフィルターのような吸水性のある紙を差しておくだけでも湿度を上げる効果が期待できます。

予防の基本は手洗いやうがい

季節を問わず、外出先から戻ったら手洗いやうがいをする習慣を子どもたちに定着させましょう。手や喉に付着した病原体を物理的に洗い流すことで、感染症が予防できます。また口元に手を運ぶ頻度が増える食事の前は、手を洗ったりおしぼりで手を拭いたりすることも重要です。

家庭ではタオルを家族一人ひとりに用意して、個別に使うように呼びかけましょう。タオルを共用にしていると、接触感染で家族全員が感染してしまいます。たとえ症状が出なくても家の外で病原体を撒き散らしてしまう可能性もあるため、園と保護者が協力し合い、みんなで子どもたちの健康を守りましょう。

予防には家庭との連携も大切

感染症を効果的に予防するためには、家庭の協力も必要です。保護者会や園だよりを利用して、保護者にも感染症のメカニズムや予防の仕方について知識を深めてもらいましょう。また感染症の疑いがある時には速やかに園に連絡を入れてもらい、感染の拡大をみんなで防げる体制を作っておきましょう。

なお、栄養バランスや睡眠の質は子どもたちの免疫力にも影響します。食事に気を遣ったり生活のリズムを整えたりすることが、子どもたちの健康にどう影響するのかを保護者に伝え、園と家庭が力を合わせて予防に取り組みましょう。

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寒い季節に気をつけたい子どもの感染症

マイコプラズマ肺炎

肺炎マイコプラズマという細菌に感染すると発症するのがマイコプラズマ肺炎です。秋から冬にかけて流行することが多いですが、発症例は1年中見られます。最近はマイコプラズマ肺炎かどうかを診断できる検査法が開発され、30分ほどで判定が可能です。

感染経路

咳やくしゃみによる飛沫感染が多く、潜伏期間は1~3週間程度です。免疫ができないため、身体の弱いお子さんの場合、繰り返しかかることもあります。

症状

のどの痛みや発熱など、風邪に似た症状が見られます。ただし比較的軽症で済むことがほとんどです。まれに高熱や激しい咳に見舞われたり、ぜいぜいという呼吸音がしたり、痰が出たりします。また微熱程度でしつこく咳が出続けることもあります。

治療方法

マイコプラズマ肺炎は他の肺炎とは異なる抗菌薬を服用します。多くの場合は飲み始めてから2~3日で熱が下がります。基本的には自宅療養で問題ありませんが、重症化した場合は入院させることもあります。

予防法

こまめに手洗いやうがいをして、予防に努めましょう。また家族に感染者がいるご家庭からも園に申告いただく仕組みと作ると、早期対策がしやすいと思います。免疫力が下がっていると症状が出やすくなるため、日頃から体調管理に気をつけることも大切です。

RSウイルス感染症

RSウイルスに感染すると発症する呼吸器の病気です。生後2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染するとされています。9月ごろから流行し始め、翌年の春まで続くことも多いです。非常に感染力が強く、何度も感染と発症を繰り返します。

感染経路

主な感染経路は咳やくしゃみによる飛沫感染のほか、手すりやドアノブなどを介して移る接触感染も考えられます。

症状

潜伏期間は2~8日です。発熱や鼻水、咳といった風邪に似た症状が見られます。ひどくなると気管支炎や肺炎にまで悪化することがあります。無呼吸発作や急性脳症など重篤な合併症を起こすケースもあるため、注意が必要です。

治療方法

RSウイルスには抗ウイルス剤がないため、熱や鼻水といった症状をやわらげる対症治療が中心です。重症化した場合には点滴や酸素吸入などの処置を行います。

予防法

子どもたちに手洗いをさせましょう。また手すりやドアノブ、おもちゃなど、不特定多数が触る場所や物の消毒もこまめに行いましょう。消毒剤に対する抵抗性が弱いウイルスなので、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード等に効果が見られます。

溶連菌感染症

11月ごろから梅雨の時期にかけて流行するのが溶連菌感染症です。感染すると2~5日で発熱やのどの痛みといった症状を発症します。

感染経路

溶連菌感染症も飛沫感染や接触感染によって流行します。溶連菌は繰り返しかかることがあり、大人も発症するので注意しましょう。

症状

38~39℃の高熱に見舞われ、喉が腫れたり舌にイチゴの表面のようなブツブツができたりします。また全身に発疹が出てかゆくなることもありますが、咳や鼻水は見られません。リウマチ熱や急性糸球体腎炎などび続発症を引き起こすこともあるので油断できない病気です。

治療方法

溶連菌に有効な抗生物質を投与します。2~3日程度で症状が軽くなりますが、自己判断で薬の服用をやめてしまうと、再発や合併症の恐れがあります。処方された薬は最後まで飲み続け、確実に溶連菌を退治しましょう。

予防法

手洗いやうがいなど、基本的な感染症予防をこまめに行いましょう。家庭内ではタオルの共用を控えましょう。消毒剤に弱い菌で、市販の消毒剤が有効です。消毒用エタノールなどで手指の消毒も行うと、なお安心です。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

ムンプスウイルスに感染すると2~3週間で発症するおたふくかぜは、片側もしくは両側の耳の下の辺りが腫れるのが特徴です。発熱を伴うこともあります。また感染しても症状が出ないケースも見られます。

感染経路

おたふくかぜの感染経路は飛沫感染や接触感染です。ムンプスウイルスは感染力が強いので、保育園や小学校などで感染者が出た時は特に注意が必要です。

症状

発熱や頭痛、筋肉痛など風邪に似た症状に加えて、耳の前にある耳下腺が腫れます。多くは軽症で済みますが、まれに脳炎や脊椎炎のような合併症を引き起こします。重症化して重い難聴になることもあるので、油断できない病気の1つです。

治療方法

現在、おたふくかぜに効く治療薬はありません。大半の人は治療をせずとも数週間で治りますが、合併症には注意が必要です。

予防法

おたふくかぜにはワクチンがあります。日本では接種費用が自己負担で1回接種が基本ですが、先進国の多くは2回接種がスタンダードです。成人が感染すると症状が重くなる傾向があるため、1歳で1回目のワクチンを接種し、その後2~6年後に2回目を接種しておくと安心です。

インフルエンザ

インフルエンザは11月下旬から翌年の3月頃に感染者が急増する感染症です。特に幼児が感染・発症した場合、けいれんや意識障害を発症するインフルエンザ脳炎・脳症の心配があります。脳症を発症すると死に至ることもあるため感染の予防が重要です。

感染経路

インフルエンザも飛沫感染や接触感染が主な感染経路です。手洗いやうがい、ドアノブの消毒といった対策が求められます。

症状

風邪に似た症状で、38度を超える急な発熱や関節痛などを伴うことが多いですが、ここ数年は新型インフルエンザウイルスも確認されており、微熱で済んでしまうケースも見られます。

治療方法

体内のインフルエンザウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザ治療薬を服用することで症状を軽くしたり、病気の期間を短くすることができます。症状が出てから48時間以内に服用すると、薬が高い効果を発揮します。経口薬や吸入薬、小児用のドライシロップなど種類が豊富です。

予防法

インフルエンザには毎年流行する型を予測してワクチンが製造されています。予防接種をしても発症するケースはありますが、症状を軽く済ませられることが多いので、流行が始まる前に予防接種を受けておくと良いでしょう。また感染者が急増している時期はなるべく人混みを避けて外出するなど、家庭の協力を仰ぎましょう。

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感染性胃腸炎(ノロウイルス・ロタウイルス)

感染性胃腸炎は細菌や寄生虫が原因のケースもありますが、急速に流行しやすいのはウイルス性の胃腸炎です。近年はノロウイルスやロタウイルスによる胃腸炎がニュースに取り上げられることが増えています。症状が軽く、感染に気付かないケースもあります。

感染経路

感染性胃腸炎は接触感染と経口感染が主な経路です。調理担当者が感染に気付かずに業務にあたり、給食が原因で感染が広まった事例もあります。

症状

多くの場合、おう吐や下痢、発熱などの症状が見られ、腹痛や吐き気を伴うことがあります。一方で、感染しても軽い風邪のような症状で済んでしまったり、症状自体が見られないケースもあります。

治療方法

発症しても特別な治療法がないため、対症療法で症状を和らげながら回復を待つしかありません。乳幼児は下痢などによる脱水症状を起こしやすいので、早めに病院を受診させましょう。

予防法

ロタウイルスには予防接種ワクチンがありますが、ノロウイルスにはありません。アルコール消毒が効きにくいため、薄めた漂白剤で消毒したり、こまめに流水で手のウイルスを洗い流すなど、流行が見られる時期は特に衛生管理に細心の注意を払いましょう。

水ぼうそう(水痘/すいとう)

水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスによって発症する病気です。1歳~5歳の幼児の発症例が多く、感染から約2週間で発症します。

感染経路

水ぼうそうは感染力がとても強く、空気感染でうつります。またくしゃみなどによる飛沫感染や、水ぶくれから出てきた液による接触感染も主な経路です。水ぶくれがかさぶたになるまでは感染力が強いので、発症した人は他の人に移さないように外出を避けましょう。

症状

38度程度の発熱が3~4日続き、強いかゆみを伴う水ぶくれが全身に出ます。水ぶくれは2~3日でしぼみ、かさぶたになって1週間ほどで治ります。治りかけの時期に小脳炎や急性小脳失調を起こすことがあるので注意しましょう。

治療方法

子どもの水ぼうそうは薬を使わなくても治るケースが多いですが、薬を使う場合は主に抗ウイルス薬を投与します。この薬はウイルスを増やさないための薬です。水ぶくれを潰してしまうと、中から出てきた液によって接触感染が発生したり、傷口から細菌に感染して痕が残ることもあるので、塗り薬でかゆみを抑えます。

予防法

水ぼうそうにはワクチンがあり、1歳から予防接種が受けられます。接種が1回だけだと免疫が不十分な場合があるので、海外では2回接種が一般的です。合併症を発症すると重症化しやすいので、2回目も接種しておいた方が安心です。

まとめ

細菌による病気は抗生物質で病原体を攻撃することができますが、ウイルス性の病気の多くは病原体に直接働く薬がありません。抗ウイルス薬は体内のウイルスをこれ以上増加させないために飲む薬で、ウイルスを死滅させることはできません。熱や鼻水といった辛い症状を和らげる対症療法で悪化を防ぎながら、自然治癒力による回復を待つことになります。

幼い子どもが病気で苦しむ姿は、見ている大人も辛いもの。保護者との連携を密にとり、大人たちが協力して子どもの健康を守っていきたいものですね。

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