桜システムを導入した【浦堂認定こども園】の声

こんにちは、ICTキッズ編集部です。今回は高槻市の「浦堂認定こども園」を訪れ、濱崎園長にたっぷりとお話を伺いました。保育支援システムを導入されたのはおよそ5年前。導入当時の様子や苦労された点、そして5年間使ってきたからこそ思うことなど、中身の詰まったインタビューになっています。すでにシステムを使われている園の方にも必読の内容ですよ!

初めは登降園機能と口座引き落としからスタート

――システムを導入されたキッカケと、導入時期を教えて下さい。

キッカケは系列の園を含めて規模が大きくなってきたので、全体的な業務の効率化と、職員の負担軽減、保護者の方の利便性の向上を考えて導入することになりました。使い始めたのは平成24年度の終わり頃です。

――桜システムに決めたのは、どういった理由からですか?

その当時あったシステムの中で、園児と保育、どちらの管理もしようと考えた時に、一番理想に近かったのが桜システムでした。

――導入してまず取り組まれた事は何ですか?

最初にやりたかったのは、登降園の管理と保護者徴収金の引き落としですね。登降園機能を使うことで、それまで手計算だった延長時間の管理が全てパソコンで出来るようになりました。導入当初の園児数が140名、現在は180名なので全員分を手計算すると大変です。

あとは現金でのやり取りをどんどん減らしていきたかったんですね。保護者徴収金の引き落としができるようになって、それまで色々な物品購入も現金でやり取りしていましたが、事務所の業務効率を上げるために、その後は全て口座引き落としに変更しました。

――システムを導入した時の保護者の方たちの反応はいかがでしたか?

口座引き落としになったことを喜ばれる声が大きかったです。お金を持ってくることに不便さがあったので。

――保護者の方に登降園機能はすんなりと受け入れられましたか?

最初は混乱するかなと思って、一週間ほど職員が入り口に立っていたのですが、皆さん慣れるとすごく速かったですね。タッチパネルも2台で足りるのか不安でしたが、今では故障で1台しか使えない時でも園児180名の入力はスムーズに行われています。

――職員の皆さんの負担は減りましたか?

職員にとっても、現金だと集めて銀行へ入金に行く作業もありますし、お金を預かったら領収書も発行しないといけなかったのですが、その作業が全て無くなりました。延長時間の請求も、以前は封筒でやり取りをしていましたが、請求書を発行できるようになったのはよかったです。

――延長保育の線引きに関連して、降園時間の入力はどのタイミングでされていますか?

保護者の方が入って来られた時に入力をしてもらっています。というのも帰る時だとお子さんと一緒なので、入力している時に目が離れてお子さんがどこかに行ってしまうこともあるんですね。延長保育に入る時間は18時からですが、駐車場の関係で遅れることも考えて、パソコンの中では18時5分からカウントするように設定しています。その点でトラブルはありません。

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パソコンからタブレットへの移行も検討

――登降園機能以外に試された機能はありますか?

保育記録を使おうとしたのですが、なかなか上手く使えませんでした。桜システムの中にある指導計画の指針を目安に作って貯めていけば、翌年以降は見返して楽に作れるということだったのですが、園独自の計画を作っている中で職員から使いにくいという声が上がりました。「使いやすいフォーマットに作り直すことができるので、考えてもらえますか」と職員に投げかけたものの、多忙のため進まず、手書きでの記録が続いています。

――桜システムはカスタマイズができるのも特徴ですよね。

ただ、出来ることと出来ないことはあります。例えば延長保育を利用されている人数を行政に報告する書類も、当初は手計算で作成していたのでカスタマイズを依頼したところ、何時から何時までの間で帰った人は何人か、といった人数を出すフォーマットは作ってもらえました。でもそれを行政の様式に入力するのはこちらの作業になってしまうんですよね。

――教室でパソコンを使うことについて、職員の皆さんの反応はいかがですか?

拒絶反応はすごくありました。各教室で登降園状況を把握できるようにWi-Fiも整備したのですが、パソコンの電源を入れてから見るまでの時間が待てないんですよね。いつお迎えに来られるかの時間確認も、登園時にシステムに入力してもらったものをクラス担任が事務所に来て、紙に印刷して把握しているので、アナログなのかデジタルなのか分からない状態です。タイムリーに上手く使えていないのが課題ですね。

――各教室用に揃えたパソコンも活用できていない状況ですね。

各部屋にパソコンがあれば、例えばそこでインシデントがあっても、子供たちの寝ている間にすぐに入力できるのですが、子供に背を向ける時間が多くなることに抵抗があって、なかなか部屋で使うことが進みません。その点、タブレット端末の方が手軽さやスマホと似た感覚で使えることから職員も使いやすいかもしれません。

情報発信ツール、コミュニケーションツールとして

――保護者の方へ向けた情報発信はされていますか?

ドキュメンテーションを幼児の4クラス分、パソコンのWordで作って紙で出力し、お迎えに来られた保護者の方に見て頂けるようにしています。でも、それだと来園した方しか見られないので、ホームページでも見て頂けるように準備中です。

情報を日々見られるようになると、今日どんなことがあったのか保護者の方と共有できますし、これからどういう事をしていくのかも一緒に楽しんで頂けますしね。また色んなプロジェクトが進行していく中で、保護者の皆さんの協力を得る為にもドキュメンテーションは重要だと思っています。

――ICTシステムを双方向のコミュニケーションツールとして使う可能性はありますか?

今はドキュメンテーションを通じて保育の内容を伝えようとしていて、こちらの理念に沿ったものを提供しています。これが双方向のコミュニケーションになって、保護者の評価や「いいね」が付くことを気にし出すと、記事の内容が保護者受けするものに変わっていくかもしれません。

特に今は認知的な能力から非認知的な能力を養うための保育に変えているところで、結果ではなくプロセスを見えるようにしています。でも結果を求める保護者の方は多いので、結果を伝える記事には「いいね」が多く付いて、こちらが伝えたい記事については、おそらく高い評価は付かないでしょう。

トリプル改訂を受けて、保育が保護者の方と共に行うものへと変化している中で、保育内容を見えるようにするツールとしては必要だと思います。でも双方向となると、まだ早いのかなという印象です。

――他に情報発信をしたい事柄はありますか?

まだ導入はできていませんが、給食のメニューを文字の案内だけでなく、毎日写真を撮ってアップし、来園されていない保護者の方にも見てもらえるようにしたいです。でも現状では写真を撮ってパソコンにデータを取り込むところから始まるので、手間が掛かります。それがフェイスブックやインスタグラムのように、写真を撮ってワンタッチでアップできれば悩むことはないのでしょうが。

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導入から5年経って思うこと

――保育支援システムを5年間使われてきて、思うところをお聞かせ下さい。

教室でのパソコンの使用が進まないこともあって、実はタブレット端末でも使えるアプリ型のシステムへの変更を考えています。検討している会社(MJ)はドキュメンテーションを見据えたアプリの開発を大学と提携していてどんどん進化していますし、カスタマイズのしやすさも魅力です。作成に手間が掛かっている行政書類についても、「指定の様式をシステムに取り込んで、ボタン1つで完成するところまでやります」と言ってもらえています。

――タブレット端末なら、写真を撮ってそのままアップすることもできますよね。

職員が使うのはもちろんですが、子供たちが使うことも考えています。例えばひとりの子が園庭にタブレット端末を持って行って、蝉の動画を撮影するとします。それをプロジェクターで教室に映すと、ひとりの体験をクラス全員で共有できますよね。チャイムを蝉の鳴き声に変えても面白いですし、いろいろな可能性を感じます。

――では最後に導入を検討されている保育園に向けてアドバイスをお願いします。

色んな会社があるので悩まれると思います。保育支援システムを導入する意味は、保護者と保育、そして職員の労務管理と会計が包括的にネットワークで組まれることにあると思うのですが、そこが繋がっていないシステムも多々あるんですよね。選ぶのならネットワークが無理なく繋がっていて、調整にも応じてもらえる会社のものが良いのではないでしょうか。各園によって必要な内容や機能も異なると思うので、園に合ったシステムを見つけるのが重要かと思います。

――保育とデジタルのこれからについて考える良い機会となりました。長時間のインタビューにお付き合い頂き、ありがとうございました。

【取材協力】浦堂認定こども園

1979年開園し、2015年より幼保連携型認定こども園へ移行した浦堂認定こども園では、育児担当制と異年齢保育を柱に、法人の理念である「共育」を丁寧に行っています。できた、できないではなく、一人ひとりの子がありのままの存在を認められ、基本的自尊感情が育まれる環境を整えています。子どもたちの今に寄り添い、共に生活する中で、子どもも大人も育っていきたいと考えています。

保育園情報

使用システム:桜システム
定員: 160名
開園時間:月曜〜金曜日 7:00~19:00
住所:大阪府高槻市宮之川原4丁目3番1号
電話:072-687-7237
ホームページ:http://uradouhoikuen.com

まとめ

園長先生が「子どもたちと保護者の方のために」と何度も仰っていたのが印象的でした。システムの見直しを検討されているのも、保育に関わる全ての人のことを考えた上での前向きな選択なのだと感じました。タブレット端末を子どもたちが使うアイデアも素敵ですよね。園庭で撮影するものを探している真剣な子どもたちの姿が目に浮かぶようです。保育とデジタルが溶け合う未来、期待せずにはいられません。

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