子どもの学びの基礎を作る「読み聞かせ」のコツ

先日、ネットで『「頭が悪い」じゃ済まない ボキャブラリー不足は深刻』という記事を読みました。最近は遅刻しそうになるのも「ヤバ」ければ、おいしいものも「ヤバい」し、スタイルの良い女性も「ヤバい」と表現しますよね。ある意味、それで通じるのもすごいことですが、必ずしも全ての人に理解してもらえるわけではありません。

語彙力が人生を左右する!?

「語彙・読解力検定」を主催する(株)ベネッセコーポレーションが行った「第2回 現代人の語彙に関する調査」によると、「語彙力の高い高校生は思考力・表現力も高い」そうです。また「語彙力が高い人は授業や仕事での活躍や出世への役立ち感が高い」という結果も見えてきます。確かに社会人になると、情報を正しく理解し自分の考えをわかりやすく伝える力の有無が、仕事の質を左右することは多々ありますよね。

人は考えるときに言葉に置き換える

人は問題にぶち当たるたびに、それを解決するためにどうしたらいいか考えます。その時、自分の考えていることを適切な言葉に置き換えることができれば、頭の中がスッキリと整理されて、スピーディに解決策を見出せるようです。ビジネス本などでよく「紙に書いてみること」が薦められるのはそのためです。

しかし自分の考えていることを表す言葉が見つけられないと、なかなか先に進むことができません。そういった意味でも語彙力が高いこと、すなわち「たくさんの言葉を知っていること」は非常に役に立つのです。

<参考>
ベネッセ教育情報サイト:語彙力が高い人の特徴は読書の幅広さ

言葉の基礎を作る「読み聞かせ」

語彙力を高めるためには、たくさんの言葉に触れることが必要です。インプットしなければアウトプットすることができないからです。先程のベネッセの調査でも、本や新聞を読む人の語彙力が高いという結果が出ています。

また、読書を好きになったきっかけに「子どもの頃に本を読み聞かせてもらったこと」「身近な人が本好きだったこと」を選んだ人は、成長しても読書量が多く、語彙力が高い傾向があるそうです。

幼児期の絵本の読み聞かせは、子どもたちが新しい言葉に触れる良い機会になります。また、この時期にたくさんの絵本と接触し、楽しい気持ちになったり空想を膨らませたりした経験が、彼らの将来に良い影響を与えるものと考えられます。

<参考>
まいとプロジェクト:絵本の読み聞かせと学力との関係

読み聞かせのコツ

読み聞かせが子どもたちに良い影響を与えるとはいえ、大勢の子どもたちを相手にする保育園や幼稚園で、子どもたち全員にお話を楽しんでもらうためには工夫が必要です。上手に読み聞かせを行うには、どうしたらいいのでしょうか。

1)全ての子どもから絵本が見えるようにする。

【出典】保育のお仕事:効果的な絵本読み聞かせのポイント

どこに座っていても絵本が良く見えるように、子どもたちを絵本の正面から扇状に座らせましょう。また写真撮影の時のように、前列の子どもと子どもの間に後列の子どもの顔がのぞくように座らせると良いでしょう。絵本の中央を持ち、脇をしめると絵本を持つ手が安定します。

ちなみに集団の読み聞かせに向いている絵本は、遠目に見ても絵がわかりやすく、絵と文のバランスが良い絵本、また絵を見ながら耳で聞いて楽しめる絵本と言われているそうです。人数が多い時は大きな絵がたくさんある絵本、少ない時はサイズの小さな絵本にするなど、本の選び方も工夫しましょう。

2)抑揚をつけて、ゆっくり読む。

しっかりと口を開け、一番後ろに座っている子どもに聞こえる大きさの声で、自然な抑揚をつけて読むと良いでしょう。また慣れないうちは早口になりがちなので、ゆっくりと落ち着いて読むように心がけましょう。全ての子どもたちに良く聞き取れるように読むことが大切です。

絵本は一般的な小説と違って、言葉遊びのようになっていたり、リズム感のあるものも多いです。読んでいる本人が、言葉を楽しみながら読みましょう。声には読み手の心情が自然と表れるものです。先生が楽しく読んでいれば、その雰囲気が子どもたちにも伝わって、一体感が生まれるのではないでしょうか。

3)間のとり方に注意する。

絵本によってはイラストだけで、文章がないページがあったりします。子どもたちは言葉だけでなく、絵からも感じようとしています。子どもたちがしっかり絵を見るため、しっかりと間をとってからページをめくりましょう。

4)子どもが知らない言葉をあえて説明しない。

絵本には子どもたちが初めて出会う言葉がたくさんあります。例えばカメを見たことがない子どもに「カメ」と言っても理解できませんよね。でも、だからといって読み聞かせを中断してまで説明する必要はありません。カメの絵を指さして読んであげるだけで十分です。子どもは徐々に意味を理解していきます。

5)お気に入りの絵本は何度でも読んであげる。

子どもは一度気に入ってしまうと、何度でも同時絵本を読んでほしいとせがみます。その執着心は大人が参ってしまうほど強烈なことも多いです。子どもたちは同じ話に繰り返し接することで、それまでわからなかった言葉の意味が理解できるようになったり、お話の先を予想する楽しみを覚えたりします。反復することが子どもの心の成長をうながすのです。

それでも毎回同じ話で読むのに飽きてしまったら、同じ絵本をほかの先生に読んでもらいましょう。読み手がたくさんいて読み聞かせのバリエーションが増やせる点も、家庭と異なるメリットです。

<参考>
まいとプロジェクト:絵本の読み聞かせのコツ
保育のお仕事:効果的な絵本読み聞かせのポイント~子どもの心を豊かにするために~

まとめ

「絵本専門士」という絵本にまつわる資格があるのをご存じでしょうか。独立行政法人 国立青少年教育振興機構が子供の読書活動を充実させる取り組みの1つとして創設された資格制度で、絵本に関する高度な知識、技能及び感性を備えた絵本の専門家です。

およそ半年間の養成講座を受講し「絵本専門士」として認定されると、絵本専門士のホームページで氏名等が公開され、おはなし会やワークショップなどの活動の幅が広がります。またこういった資格を持った先生がいると、他園との差別化を図ることにもつながるのではないでしょうか。

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