効率の良い保育指導案作成の手順【年間計画~日案まで】

こんにちは、ICTキッズ編集部です。毎回、作成に頭を悩ます保育指導案。新人の保育士さんは何から何まで手探り状態で、悩むことも多いと思います。そこで今回は、保育指導案を効率良く作成する手順をご紹介します。

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所属する園の方針を確認する

指導案を作り始める前に、所属する園の保育方針を確認しておきましょう。園のホームページで「子どもの自主性を尊重する」と掲げているのに、うっかり子どもに選択の余地がない指導案を作ってしまうと、やり直しになるのは必至です。

指導案は年間計画(年カリ)から日案までの一貫性が求められますよね。園の保育指針を軸に据えれば、方針のブレを最小限に抑えることができます。何か迷いが生じたときにも、保育指針に立ち返ることで軌道修正がしやすくなります。

過去の指導案から傾向と対策を見出す

過去の保育指導案を確認し、今までどんな保育が行われてきたのかを把握することも重要です。過去の指導案は、たくさんの先生によって生み出されたアイデアや知恵の宝庫です。園によって指導案のフォーマットも異なるので、あらかじめ過去の指導案を確認した上で作成に取りかかると良いでしょう。

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担当クラスの状況を把握する

担当する子どもの家庭状況や性格・身体的情報などから、クラス全体を把握しましょう。前任者や先輩保育士から話が聞ければ、さらにイメージしやすくなると思います。

地域や年代など、集まるメンバーによってクラスには個性が表れます。おとなしい性格の子が多いクラスと活発な子が多いクラスでは、取り組むべき課題や彼らが好む遊びの種類も異なるのではないでしょうか。

1年後の姿を想像する

指導案を作るためには、子どもの発達段階に合わせた目標の設定が必要です。言葉を覚え始めたばかりの2歳児と、コミュニケーションが取れるようになってきた5歳児では、おのずと指導内容が変わってきますよね。1年後にどんな子どもたちに成長していてほしいのか?それを具体的にイメージできれば、指導プランも思いつきやすくなるはずです。

例えば1年後の子どもたちに「誰にでもきちんと挨拶ができる」ようになってほしいと考えたとします。さて、そんな子どもになってもらうために、保育士は何をすべきでしょうか?

朝や帰りの挨拶を教えることが必要かもしれませんし、自分から挨拶をして子どもたちのお手本になるべきかもしれません。こんな風に考えていくと、指導案の中身が具体的になっていくと思います。

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年間計画を作る

1年を通したカリキュラムは、4月から翌年3月までを3期~4期に分けて作成するのが一般的です。園の行事予定はたいてい事前に組まれているので、年間計画に行事予定を記入しておくと、外的要因による子どもの変化を考慮して計画を作成できます。

1年間の目標を決める

年間目標は年齢別の発達基準や園が用意している年間目標のフレーズから選ぶと良いでしょう。0歳児なら以下のようなリストから、子どもの姿をイメージすることができます。

0歳児における子ども姿・発達の特徴
子どもの姿 手足を元気に動かし、寝返りをする。
腹ばいで前進する。
喃語を発する。
歯が生え始め、よだれが増える。
保育者の顔をじっと見つめ、笑顔を見せる。
手に触れた物を口に運ぶ。
離乳食に慣れ、もぐもぐ、ごっくんができるようになる。
空腹やオムツの汚れなど、不快を泣いて訴える。
体調不良により、咳や鼻水、熱が出る。
布団で眠ることができず、保育者の抱っこやおんぶで眠る。
保育者のまねをして手をたたいたり、体を揺らしたりしながら、手遊びを楽しむ。
友達の姿に興味が出始め、顔や体に触れる。
指差しや片言で、自分の気持ちを表そうとする。
簡単な手遊びをしたり、絵本を見たりすることを楽しむ。
簡単な言葉を理解し、指差しをしたり、「ワンワン」「ブーブー」など、言葉を発したりする。
歩行が安定する。
保育者が誘うとトイレへ行き、便器に座る。便器に座るのを嫌がる子もいる。
意欲的に手づかみ食べをする。また、食具を使って食べようとする。
意味のある言葉が増える。

試しにリストにある「体調不良により、咳や鼻水、熱が出る。」「指差しや片言で、自分の気持ちを表そうとする。」「意味のある言葉が増える。」という子どもの姿から、イメージを膨らませてみましょう。

自分の気持ちを表現できない0歳児が、1年後に自分の気持ちを伝えられるように成長してほしいなら、どんな目標を立てるべきでしょうか?年間目標に書く文言としては、「自分の気持ちを体の動きや言葉で伝えられる環境を整え、安心して元気に過ごせるようにする」というフレーズが導き出せるかもしれません。

うまく言葉にできないときは

こういった文言が思いつかず、時間だけが過ぎていくような場合には、いっそのこと過去の指導案などから引用してしまいましょう。考えを言語化できないせいで手が止まっていては、他の業務に支障が出てしまいます。大切なのは書類の見栄えではなく、プランの中身とその実践です。

期ごとのねらいを決めてから具体的な内容を考える

通年目標が決まったら、期ごとのゴールとなる目標や保育のねらいを固めます。目標が決まれば、達成のために必要となる具体的な保育環境や家庭・地域との連携にも思考が及ぶことでしょう。保育は保護者や地域の協力が不可欠です。広い視野を持って計画を立てましょう。

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月案・週案・日案を作る

月案を作る

月案の図

年間計画をもとに毎月の「ねらい」を決めましょう。「ねらい」とは、保育の目標をより具体化したものです。保育所保育指針では「子どもが保育所において、安定した生活を送り、充実した活動ができるように、保育を通じて育みたい資質・能力を、子どもの生活する姿から捉えたもの」と定義されています。保育を通じで子どもたちが成長した姿を「ねらい」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

「ねらい」が決まったら、具体的に保育の「内容」を考えます。保育所保育指針では「『ねらい』を達成するために、子どもの生活やその状況に応じて保育士等が適切に行う事項と、保育士等が援助して子どもが環境に関わって経験する事項を示したもの」と説明しています。つまり、現在の子どもが「ねらい」に描いた姿になるために経験させたいことが「内容」です。

週案・日案を作る

幼児の活動具体的な幼児の活動状況の記述(記録)指導ポイント保育士が注力するポイントの明記反省・評価幼児の記録と計画が合致していたか・自分の指導ポイントをクリアできたかを明記し、次週の指導ポイントを見出せるように評価・反省する

週案の図

日案の図

週案・日案は月案をさらに細分化したものです。週案は週毎の「ねらい」や「内容」、環境や指導のポイント等をまとめ、日案には1日のスケジュールを記入します。

【参考】その月のねらいから週案・日案を考える

ある月のねらいを「食事のマナーを身につけさせること」に設定した場合、子どもたちにはお箸やスプーンの持ち方を習ったり、実際にお箸を使ってみるといった経験が必要です。また、食事中に後ろを向いたり、食べもので遊んだりするのは良くないことだと知らなければなりません。

食事のマナーを身につけるためには、毎日の積み重ねが大切ですよね。それでは、いつ、どのようなタイミングで子どもたちにマナーを教えるのが良いのでしょうか?

例えば、週の前半は給食を食べる前にお皿の持ち方をレクチャーすることにして、月曜日と火曜日に話す内容を決めます。水曜日以降は子どもたちの様子を確認しながら、お行儀よく食事ができている子を褒めるなど、段階を踏むようにすると計画が立てやすくなると思います。

まとめ

保育において計画を立てることは重要ですが、計画に時間がかかった結果、実践がおろそかになっては本末転倒です。人手不足が深刻な保育施設において、業務効率を上げることは解決すべき課題のひとつにもなっています。過去の指導案や先輩の力を借りるなどして、なるべく手早く作成できるように工夫しましょう。

保育園向けのICTシステムには、指導案に取り入れやすい文例集を備えているものや、自動で指導案の素案を作成してくれるものもあります。そういったシステムを利用している園に赴任した方は、ぜひ率先して活用してみてください。あなたが便利な機能や使い方を学んで、先輩たちにも広められれば、きっと園に貢献できることでしょう。

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