【シリーズ:てぃ先生に聞いてみた![1]】いま保育士が置かれている環境(4)

ICTキッズ編集部の吹野です。今回は「いま保育士が置かれている環境」について、てぃ先生のインタビューの続きです。保育ICTシステムを使うメリットとはどんなことなのでしょうか?

ICT導入のメリットは“時間の使い方が変わる”こと

――保育士さんや職員の方にお話をうかがうと、パソコンやタブレットに対する苦手意識が強い印象を持ちます。自分たちはキーボードが苦手で、手書きよりも時間がかかるからICTは意味がないと判断される方もいらっしゃるんですよね。

システムを使うと手書きがキーボードになる。だから業務効率が良くなると考えている人は多いですね。でもICTを使ったことがあればわかると思うんですけど、導入のメリットはキーボードになるからではないと思うんです。パソコンを起動してる間に手書きでメモした方が早いことだって多いじゃないですか。

――そうですね。

一番のメリットは、“時間の使い方が変わること”だと僕は思うんですよね。それこそ、だいたいの園は連絡帳を午睡中に書くわけですよね。じゃあなんで午睡中に書くの?って言ったら、お父さんお母さんたちが夕方ぐらいにはお迎えに来るから、それまでに仕上げておかないといけなくて、書く時間を確保しようとするとお昼寝中しかないわけです。でもアプリを使って、お父さんお母さんがお迎えに来た後でも連絡帳を送ることができれば、午睡中以外のタイミングでも連絡帳を書けるようになる。

――それは具体的にどういうことですか?

例えば20時までの保育園だったとしたら、あらかじめ「うちの保育園は21時に連絡帳を配信します」って決めておけば、21時までに連絡帳が仕上れば良くなりますよね。先生が退勤する30分前に抜けて、自分が担当する子どもの連絡帳をパーっと書いて、最後に誰かが21時に一斉配信すれば、ガチガチのスケジュールから解放されると思いませんか?

――言われてみると、確かにそうですね。親御さんは夕方になると子どもたちを迎えに来るけれど、その場で連絡帳は読みません。お家に帰ってからも忙しいでしょうし、実際に連絡帳を見るのはお子さんが寝静まった後とかですよね。

だいたいのお母さんたちは翌朝見るって言いますね。翌朝、自分が書くときに見るって。だったら帰るときに渡さなきゃいけないってこともないんじゃないかなって。

――ホントにそうですね。それは現場を知ってる人でないと持てない発想ですね。

実は日誌も同じようなことがあるんです。園によっては日誌を書いたら園長先生にチェックをもらわないといけないんですよ。そうすると全クラスが園長先生の許可をもらってから帰るので、列ができたりするわけです。でもICTで園長先生に提出できれば、園長先生は慌ててみんなの日誌をチェックしなくてもいいし、保育士も送信ボタンを押したら帰れますよね。

データ化することで膨大な資料を一発検索

――行列ができてる状態では、園長先生がしっかり日誌を確認するのは難しそうですね。私だったら急がなきゃ~って焦っちゃう!

でしょ?誰だって行列作って待たれてる状況で、落ち着いて読むことなんてできないですよ。もっと言っちゃうと、ICTって新人保育士の指導とか保育の振り返りとか、そういう部分でも役立つ場面があると思うんですよね。前回もお話ししたように、月案・週案はその場限りで、過去の資料として活用することって難しいんです。探すのが大変だから。でもシステムで月案を作れば勝手に記録が蓄積されていくし、わざわざ忙しい園長先生を捕まえて鍵を借りて、分厚い冊子から資料探してっていう作業もなくなります。

――余裕のない状況では、月案をファイリングしたり探したりする時間ももったいないですよね。

そうなんですよ。システムの中にまとめて入ってれば管理がしやすいし、簡単に検索できればみんなで共有するのも楽です。そうすると、今まで書いて終わりになりがちだった日誌の本当の意味が活かされて、本来大切にすべきことに注力できるようになる。アナログだったからこそ無駄が発生していた時間の使い方が、ICTを取り入れることで改善できるんじゃないかな。それがICTの最も大きなメリットかなって思います。

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もはや保育ICTは「いつやるの?」の段階

――ここ数年でインターネットに接続して使うクラウド型システムも増えていて、情報流出のリスクを不安視される方が多いのですが、その点についてはどうお考えですか?

過去の指導案って保管しなきゃいけないんですよね。棚に、こんな分厚い過去の指導案がぶわーって置いてあるんですよ。

――それは結構なスペースを取りそうですね。万が一、火事にでもなったら全部消えちゃいますし。

ホントにその通り。僕は保管するんだったら、クラウドとかにした方がいいんじゃないかなって思いますけどね。確かに最近もフェイスブックの個人情報が流出したとかありましたけど、でも確率的にはホントに低い話で、あんなことが起こる確率よりも、よっぽど泥棒に入られたり悪い職員が写真に撮ったりして流出する方が、確率は高い気がするんですよね。

――そうですよね。私は個別にセキュリティソフトを入れて自分たちでメンテナンスをしないといけなかった一昔前のシステムよりも、クラウド型の方が良いと思ってるんです。わざわざ訪問してもらわなくても、システム会社さんの方でセキュリティやアップデート、メンテナンスまで面倒見てくれますから。でもなかなかご理解いただけなくて……。スマホやパソコンに慣れていない方にとっては、どうしても不安が先行してしまうのかもしれませんね。

ICTって今までの議論で言うと「入れるか入れないか」っていうところが焦点だったと思うんですけど、もう2018年度以降に関しては、「いつ入れるか」が焦点になってくるのかなって思います。そういえば、かつてパソコンが普及し始めた時、新聞会社の記者さんたちはパソコンを使わなかったんですって。

――え、そうなんですか?

「そんなもん、ペンでやるのに決まってんだろ!」って。でも人間、便利なものには勝てなくって、数年したら全員が当たり前のようにパソコン1台持たされるようになったそうです。だから当時の記者さんたちもパソコンが全くできなかったけど、「イヤもうパソコンが使えない記者なんて無理だから」っていう状況が、たった数年で生まれちゃったんですね。これだけ全員がスマホだタブレットだパソコンだって言ってる今の時代、保育業界も「いつやるの?」「いつ練習始めるの?」って段階まで来てるんじゃないかって思いますね。

まとめ

今回はICTを導入することで保育園の業務がどんなふうに変わるのかについて、教えていただくことができました。私はICTを使うと便利になるとは思っていたものの、“時間の使い方を変えることができる”という発想はなかったので、目からウロコでした。

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