【シリーズ】てぃ先生に聞いてみた!① いま保育士が置かれている環境(2)

ICTキッズ編集部の吹野です。今回は「いま保育士が置かれている環境」について、てぃ先生のインタビューの続きです。園長先生のお仕事についても話題が及びました。

保育は気づき――心と時間の余裕が必要

――仕事が多すぎて、せっかく入った新人を育てる余裕もないようでは、完全な悪循環ですね。

あまりにも数が足りてないです。もっと保育士として働きたいっていう環境を作らないといけないですよね。保育って気付きじゃないですか。心と時間に余裕がないと、子どもに対しても余裕がある対応ができないですよね。

――本当にその通りですね。

別に今やってる業務全部が無駄だっていう話ではなくて、この人が足りない状況下で今までと同じ業務量をやってたら、そりゃあ回らないよねって。前はある程度保育士の数が揃っていたからその業務量もできたかもしれないし、手書きにこだわることもできたかもしれません。

でも今この「保育士が足りないよ」「配置人数も足りないてない保育園があるよ」っていう状況下で手書きにこだわるっていうのは、それはちょっと無理があるんじゃないのかなっていう感じですよね。だから時間と心の余裕を持って、より良い保育をするため、保育の質を向上させるためにICT化が必要なんじゃないかなって思いますよね。

――国も導入に積極的ですし、私たちはぜひ使っていただきたいと思っているんですが、なかなか広まっていかなくて歯がゆい思いをしているんです。

この業界って“楽をすることが悪”というか、“苦労することが美徳”みたいな感じがどうしてもあるんですよね。2時間も3時間も保育園に残って仕事してるのがエライ!みたいな。その辺も払しょくしたいですよね。

――今はどの業界も人手不足で、残業してる人はむしろ仕事ができない人という評価に変わりつつありますけどね。

働き方については保育業界は遅れてるんでね。だから運営がおかしくなるんだと思うんですけどね。

園長先生も苦労している

――先日、保育士が妊娠する順番が年功序列で決められてる保育園があるっていうのが話題になりましたよね。あの報道を見てどう思われました?

記事によると、旦那さんと一緒に園長先生に謝りに行ったっていう話ですよね?まあそれが園のルールなのかもしれませんが、そんな保育園で働かないといけない理由はあるものなのかな?って、ちょっと疑問には思いました。

――少子高齢化が進んでいる今、子どもが増えることは喜ばしいことなのに、妊娠して謝らなきゃいけないなんて。それも保育園という子どものための場所で起こった話というのが残念でした。

そういうルールがあったとしても、そこで働くだけのメリットがその人にはあったんでしょうね。まあ他人がとやかく言う話でもないですけど、僕だったらそんな保育園は遠慮したいかな。(笑)

――そういえば、てぃ先生が監修に入られたなごころ保育園はもう開園されましたよね。その後いかがですか?

開園前に保育士を集めて、アレルギーのこととか大きな事故とか、安心・安全にかかわるようなことは気をつけようねって話はしました。うち、園バスがあるんですよ、保育園だけど。最近、幼稚園とかでも真夏にバスの中に園児を置き去りにしてどうのっていうような話もあったんで、大きな事故はホントに気をつけようねって。もっと言うと、気になることはどんどん上に上げていこうぜ!みたいな話はしてありますけど。

園長は運営の専門家ではない

――なかなか見えないですもんね、園長先生は。

そもそも園長先生自身が素人じゃないですか、運営について。園長先生のほとんどが「自分ももともと保育士でした」っていう人たちが、運営についてよくわからない状態で園長先生になるから、人間関係もまとめられないし、自分自身、その環境が当たり前だったから保育士の負担についても考えられないのかなあって思いますけどね。

――そうするとベテランの人から教えてもらうこともなく、みんな手探り状態でやってるってことですか?

今はそういう方が多いと思いますよ。民間の参入も多いですしね。年々良くなる場合もありますし、全然変わらないところもあると思います。そういう意味ではグループ園って良いと思うんですよね。グループ園の場合っていろんな園長先生がいるんで、いろんな園長先生の話を聞けていいと思うんですけど、個人園のところだと難しいですよね。

――園長先生は園長先生でいろいろ苦労をされているってことですね。園の中で相談できる人がいるケースも少ないでしょうし。

この間、ICT化を進めている園の園長先生にお話をうかがったら、「私、これがなかったら園長職はできてなかったと思います」っておっしゃってました。もともと公立保育園の保育士で、ブランクを経て初めて園長になった方で、保育システムを扱うのも初めてだったそうです。でも「これがなければ全員の日誌なんか到底見ることもできなかったと思う」って。

――ICTならいつでもどこでもチェックできるから、ちょっとした空き時間でも見ることができますし、コメント機能でコミュニケーションもしやすいですよね。

保育支援システムって聞くと「手書きがキーボードになるから業務効率が良くなる」と考えている人が多いようなんですが、本当のメリットは時間の使い方が変わることなんですよね。そのことになかなか気付かない人が多いからこそ、ICTキッズみたいなコンテンツが発信していくことが大事なんだと思いますよ。

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