保育の質を向上させるためにすべき事とは何か?

政府は「一億総活躍社会」の実現を掲げていますが、核家族・共働き世帯の増加、少子高齢化、保育園不足・・・などなど、社会的な問題はなかなか解決されていません。一方、保護者の立場からしてみれば生活環境の整備もさることながら、“保育の質”の向上にも取り組んでほしいというのが本心ではないでしょうか。

時折人々の話題にのぼる“保育の質”。皆さんは具体的にはどんなことなのか説明できますか?ここで改めて考えてみたいと思います。

“保育の質”って何?

先日放送されたNHKの「視点・論点」は保育の質について取り上げていました。その中で東京大学の秋田喜代美教授は、“保育の質”とは「子どもたちが心身ともに満たされより豊かに生きていくことを支え、保育の場が準備する環境や経験のすべてである」と説明しています。

また、経済全般についての協議を目的とした国際機関OECDによる『6つの保育の質の諸側面』についても紹介していました。

(1)志向性の質…保育において何を大事にどのような保育の方向性をめざすのかという方向性や目標。

(2)構造の質…施設の広さや備えるべき条件、また保育者一人あたりが担当する子どもの人数。

(3)教育の概念と実践として内容や考え方…国は乳幼児期に保障したい経験や活動の指針を『保育所保育指針』や『幼稚園教育要領』等で示し、園はこの指針に基づいて全体的な計画。

(4)保育プロセスの質…保育士と子ども達、あるいは子ども同志のやりとりやその活動のための具体的な素材や遊具などの環境構成。

(5)園としての実施運営の質…園として保育プロセスの質の向上に取り組んだり、効果的なチーム形成が出来ているか。

(6)成果の質…保育によって本当に子どもにとって健やかな心身の成長が保障されているか。

園の方針によってもいろいろな保育・教育の方法があります。そのことを踏まえた上で、「子どもにとって居場所が確保され安心感を得られることや、遊びや暮らしにおいて夢中になれる経験の時間が保障されていることが大事」としています。「それが生涯にわたり、物事に深くかかわる学びに繋がっていく」からです。

保育の現場では、保育士だけでなく調理師や看護師、さらには行政との連携も必要不可欠です。幅広い分野の人を巻き込んでチームを作っていけるかどうかも、重要なポイントと言えそうです。

保育の質を向上させるために大切なこと

保育士の専門性の向上

国や自治体が設けた最低基準が守られることは最低限必要です。しかしその基準をすでに満たしている園では、保育士の資質が重要になってきます。秋田教授は海外の研究によって、保育士の高い資質を維持するためには研修が大切であることが明らかになっていると説明しています。

保育の環境

秋田教授は「保育は環境を通しての教育でもある」としています。子どもたちが自ら関わり探索・探究できるような環境や素材が、保育室の中でも、園庭などの戸外の経験でも必要とされます。地域によってはさまざまな事情で、十分な広さの園庭が確保できなかったり不便を強いられる場面もありますが、知恵を出し合い工夫を重ねることで補うことができる可能性は十分にあります。

保育士の離職率の低下

長期的により良い園であり続けるためには、安定した保育を継続できることが必要不可欠です。そのためには経験豊富な保育士を育成し、長く働ける職場環境を構築する必要があります。保育士には子どもの命を預かるという重い責任が課せられており、子どもと関わる以外にもたくさんの事務仕事をさばかなければならない厳しい仕事です。

他の職業に比べて給与水準が低くて生活に困るような事があれば、質の高い保育は実現できません。また身体や心に不調をきたすような環境では、働きたくても働けないという状況になるのは当然のことです。保育士の労働条件の改善は喫緊の課題と言えるでしょう。

地域との連携

大都市と過疎地域では、求められる保育の内容は異なります。特に都市部では土地が高いために園庭がない保育園も存在します。保育園の数も十分な広さの施設も用意できていている保育園と、全く同じ保育ができるはずもありません。

核家族化が進み、ご近所とのつながりが希薄になりがちな都市部においては、保育園の周辺住民から「子どもたちの声がうるさい」などという苦情が出ることもあります。地域の人々とも良好な関係を築き、社会全体で子どもたちを育てていく…そんな意識を醸成していく取り組みの重要性が今後はさらに増していくのではないでしょうか。

<参考>
NHK/解説委員室:「保育の質とは何か」(視点・論点)

保育支援システムは保育の質の向上に役立つのか?

導入に際して国からの補助金も設けられた保育支援システム。確かに便利なのかもしれませんが、どんなことに役立つのかピンと来なかったり、使い方が難しそうだったりしますよね。そもそも、こういった機械を使うことで保育の質がどう高まるというのでしょうか。

即効性が期待できる登降園システム

最も早くその効果が表れるのは『登降園システム』だと思います。各社からさまざまなシステムが登場していますが、基本的にはどれも保護者の手で登降園の記録をつけてもらう仕組みです。導入直後は慣れない機械操作に戸惑うこともあるでしょうが、1週間もすれば誰でも使いこなせるようになります。朝の慌ただしい時間帯に保育士が行うべき記録作業が1つ減ることで、仕事の負荷が軽減されることは間違いありません。

保護者の操作によって記録された登降園時刻は自動的に集計され、保育料の計算に活用されます。保護者の手で記録された時刻に間違いがある可能性は極めて低く、保育料の請求トラブル回避につながります。

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保育料計算の自動化が可能

多くの『保育支援システム』は『登降園システム』と連携しており、園児ごとの条件さえ正しく設定できれば、保育料の計算はシステムが自動で行い、正確な請求書を完成させることができます。ボタン1つで請求書のフォーマットに印刷できる点も手間がありません。

もちろん、最初のデータ入力は大変かもしれません。それでも毎月発生する園児一人ひとりの保育料算出業務が自動化できれば、相当楽になるのではないでしょうか。

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長い目で見ればメリットが多い園児カルテや指導案作成支援機能

保育支援システムに搭載されている園児カルテや指導案作成支援は、1つの項目を入力するとそれぞれのページに自動転記されるので、例えば園児の身長・体重をいくつもの書類に書き写すような手間がなくなります。またデータベースとしての機能も担っているため、紙での管理に比べると年ごとの4歳児の体格の統計を作成したり、前年の運動会の記録を見返したりする際にも探す手間がありませんし、編集も簡単です。

毎日が忙しくて「指導案は作りっぱなし。反省点が活かせていない」というような園では、システムを導入することで業務量が減り、効果を大きく実感できることでしょう。今までやりたくでもできなかった指導案を見返す作業に充てる時間が捻出できれば、保育の質を高めることにもっと注力できるはずです。

一昔前に比べると、iPadのようなタッチパネル式タブレットで操作できるシステムも増えており、直感的な操作が可能なものがたくさん世に出回っています。導入直後は思うように使いこなせなかったとしても、焦らずにゆっくり慣れていけば、じわじわと導入の成果が形になっていくと思います。

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まとめ

保育の質の向上のために大切なことの1つに「保育士の専門性の向上」がありました。保育システムを活用することで機械にできることはすべて機械に任せ、空いた時間は子どもたちとしっかり向き合うために使ったり、保育士同士の意見交換や自己研鑽にも使えるよう、業務の割り振りも是非見直してみてください。

また、自治体が異なると他の園との交流も少なくなると聞きます。広い視野で俯瞰すると新たな発見があるかもしれません。保育園に限らず、幼稚園やこども園との情報交換の場を設けたり、園児同士の交流の機会を作ってみても良いのではないでしょうか。

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