保育園における経営理念とは?保育・福祉事業大手・中小企業の経営理念4選

国内外問わず、多くの企業が「経営理念」を掲げて会社を運営しています。「経営理念」というと、なんだか堅苦しく感じてしまうかもしれませんが、組織としての保育園を経営していく上でも策定は欠かせません。

しかし保育園では、あまり「経営理念」というものを定めているところは少なく、どちらかといえば「保育理念」や「保育方針」という形で定めている園が多いようです。そこで今回は、保育園における「経営理念」の重要性について、実際の保育・福祉事業を行っている大手・中小企業が掲げる「経営理念」を交えてご紹介していきます。

そもそも経営理念とは

そもそも経営理念とは、どのようなことを指すのでしょうか。経営理念は、基本的に「会社の向かうべき方向」「何のために向かうのか」「社会的責任」「どのように果たすのか」といった内容を明文化したものを指します。

企業が経営を続けていく上で大きな判断に迷った時には、経営理念に立ち返ることで本来向かうべき正しい方向へ進むことができます。また社員の行動指針や、判断材料の基盤にもなる「経営理念」は、企業にとっての姿勢を示す大事な役割を持っています。しかしこうした「経営理念」は、時代の移り変わりやニーズに合わせて変化していくなど、柔軟な姿勢も求められます。

経営理念と企業理念の違いは?

経営理念と似た概念として「企業理念」というものがあります。同じものとして捉えられているケースもありますが、厳密には異なるのをご存知でしょうか。

企業理念とは、いわば「創業者が企業に託した思い・信条」です。一方で経営理念は、創業者の思い・信条を継承しつつ「時代の変化・ニーズによって再定義されるもの」です。つまり企業理念は不変のものですが、経営理念は社会の変化や経営者の交代などにより、企業が進むべき方向が変わった時に、柔軟に対応して作り直されることも少なくありません。企業理念に込められた創業者の想いは、たとえ経営者が変わったとしても、たとえ事業の形態やサービスが大きく変わったとしても受け継がれるものなのです。

経営理念の目的とは?

経営理念は、企業の経営・活動に関する基礎的な考え方や存在意義を表します。外国語では「フィロソフィ」と言われ、経営哲学や価値観のことも指しています。

また経営理念は、従業員への活動指針でもあるので、経営者を含むすべての従業員が、納得できる内容でなければなりません。作成した経営理念は、従業員に理解してもらうために、徹底して浸透させる必要があり、共感する人が多ければ多いほど、企業としての結束力も高まります。

また経営理念の効果は、社内だけにとどまりません。社会に対して経営理念を発信することで、社会的な信用の獲得にも繋がるでしょう。経営理念は企業の利益を追求すると同時に、社会貢献も意識することが重要な要素と言えます。

保育園の経営理念の作り方

多くの企業に経営理念が存在するように、保育園にとっても経営理念は重要な要素となります。多くの保育園には、「保育理念」や「保育方針」などが存在します。真摯で丁寧な対応をするためにも、運営や保育の方針を内外に伝えられる「経営理念」の作成が求められるでしょう。

保育理念・方針とのバランス

保育園の経営理念は、保育理念や保育方針とのバランスを考えて作成してください。「児童福祉法」や、厚生労働省が定める「保育所保育指針解説」などを踏まえた上で、自園ならではの保育方針や地域社会との連携・貢献などを盛り込むといいでしょう。特に以下のようなポイントは押さえておくといいですね。

  • 法や条例に基づいた経営及び運営の実践
  • 安心・安全な保育環境の整備
  • 「保育課程」に則った実践的な保育
  • 地域社会との連携、貢献
  • 個人情報の保護
  • 経営の透明性、健全性、遵法性を高める

保育園が経営理念を掲げるメリットは?

多くの企業では、企業の存在意義を確立させるために経営理念を掲げています。保育園も例外ではなく、経営理念を掲げることで以下のようなメリットが得られます。

優秀な人材・保育士の確保につながる

近年の日本では少子高齢化に伴う労働人口の減少により、どの業界でも深刻な人手不足が叫ばれています。保育園も例外ではなく、全国的に保育士不足となっているため、人材確保が急務とされています。

優秀な人材を確保する体制作りは重要ですが、その前に基盤となる経営理念も作成も求められます。経営理念は、保育士・職員の一人ひとりが自ら考え、行動するための基本方針となるものです。結果的に優秀な人材の確保へと繋がるものなので、作成を怠らないようにしましょう。

経営戦略や方向性の確認・判断の基準になる

経営理念は、保育園で働く保育士・職員の基準にもなります。保育園が掲げる価値観や保育方針は、現場で業務を遂行する上での判断材料となります。迷った時には方向性が確認できる経営方針が掲げられていれば、スタッフのパフォーマンスは最大化されるでしょう。

保育・福祉事業大手・中小企業の経営理念4選

次に保育園や福祉事業、企業などで掲げられている経営理念について紹介します。

ベネッセ保育園

「よりよく生きる力(Benesse)の基礎を育てる」

ベネッセ保育園では毎日を健やかに過ごし、子供たちが自信を持って生きていけるための保育が行われています。子供たち一人ひとりが意欲と見通しを持つことで、自発的に行動したくなる気持ちを応援しています。一人ひとりが主役であるように、以下のような保育目標を掲げ、子供たちが自分らしく成長していけるよう向き合っているようです。

  1. 自分で考え、すすんで行動する子ども
    自分からすすんで物事に取り組む態度を持ち、意欲をもって最後までがんばる子ども
  2. 友だちと楽しく遊ぶ子ども
    さまざまな人とかかわることの喜びを知りながら、楽しく遊べる子ども
  3. 感性豊かな子ども
    さまざまな発見と感動を味わいながら、自分らしさを表現できる子ども

社会福祉法人 風の子会 風の子保育園

「私たちは子供社会の健全なる育成を 通じて、共に育ち合い、一体感で楽しめる 職場創りをすることで心豊かな地域社会に貢献します」

風の子保育園では、以下の経営理念に基づいた方針で運営されています。

  1. 経営理念の実践
  2. 人間尊重の経営
  3. 共同の実践
  4. 空間の環境整備
  5. 一体感の保育
  6. 個人情報の保護
  7. 立腰・真向法

クックパッド株式会社

「毎日の料理を楽しみにする」

クックパッド株式会社では、料理を作ることは命を作ることであると考えられています。たしかに食事は、健康な体を作るための基本といえます。料理を通してさまざまな問題を考え、これからの時代にふさわしい豊かさを作ることを使命として掲げられています。

株式会社タニタ

「私たちは、「はかる」を通して世界の人々の健康づくりに貢献します。」

株式会社タニタでは、変化を前提として主導する企業であることを宣言しています。健康をはかるタニタから、健康をつくるタニタへと変化し、人々の健康作りをサポートしています。特に以下のような事柄を意識して、経営に取り組まれています。

  • 国際社会の一員としての義務を果たし、お客様、取引先、従業員、株主をはじめ、かかわる全ての人々と世界の幸せを考え続けます。
  • 独創的なアイデア・システム・技術で、新しいサービスや価値を生み出し続けます。
  • 肥満の予防・改善のNo.1 トータルサポート企業を目指し続けます。

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経営理念を達成するためには経営戦略が重要

経営理念は経営者にとって欠かせない判断軸であり、それを達成するためには経営戦略そのものが重要となってきます。「経営戦略」とは、従業員が働きやすい労働環境の提供、業務内容の明確化などを意味する言葉です。経営戦略は、経営理念を通して多くの従業員に浸透させることで、最終的な判断基準を考える元となります。

経営理念や経営戦略が明確化されていない、あるいは浸透していないと、従業員は自己判断に基づいて問題に取り組むでしょう。その結果、対応にバラつきが生じてしまいます。そうならないためにも、すべての従業員に経営理念や経営戦略を浸透させ、機能させる必要があります。

保育園の経営理念の作り方やポイント

経営理念とは、基本的に簡潔で短い文章で表されます。しかし短い文章で表現できる内容には、限りがあります。そのため経営理念を作るポイントは、大切にしたい価値観や理想をリストアップした上で、重要度の高いものを選択していかなければなりません。この項目では、経営理念を作り際に押さえておきたいポイントについてお伝えします。

創業者・経営者(園長)の想いをカタチにする

経営理念は創業者や経営者(園長)の想い・信条を形にする必要があります。主に以下のような事柄を自らに問いかけ、存在意義や価値観を見出しましょう。

  • 自身が経営する保育園が存在する目的
  • 自身の保育園で実現したいこと
  • 保育園の10年後の姿
  • どのように社会貢献へと繋げていくか

使命・目的・役割・存在意義を含める

経営理念には、以下のような意味合いを含ませる必要があります。

  • 使命
  • 目的
  • 役割
  • 存在意義

これらを定め、すべての保育士・職員に基本的な考え方を共有することで、業務への判断基準として活かせられますよ。

目指すべきビジョン・あるべき姿を明確にする

「ビジョン」とは、将来あるべき姿を描いた見通し、構想、未来像を指す用語です。経営理念を原点とした理念主導型を目指す上では、経営者(園長)が変わったあと何十年も成長を続けるビジョンを打ち出す必要があります。目指すべき将来像を明確に描き、経理理念として掲げましょう。

保育士を含め全員を巻き込む

経営理念は経営者を含むすべての保育士・職員に示される行動指針です。経営陣や現場で働く職員の声も拾い上げ、多くの職員に届く経営理念を作るには、保育士を含んだすべての職員を巻き込まなければいけません。現場の声をうまく吸収できないと、実用性や判断基準としての信頼性に乏しい経営理念ができてしまう可能性もあります。

統率が取れていない組織は、思うような成果が出せずに経営低迷を招くリスクすら存在します。定期的な保育士・職員へのアンケート調査、グループディスカッション、個別面談などを行って、現場の声を集めてください。さらに経営陣の意見も尋ね、最終的に経営者自身が導き出した経営理念の概要と照らし合わせる必要があるでしょう。

保育理念・方針とのバランスを考慮する

経営理念は時代の変化とともに変わっていくものです。保育に対する考え方も年々変化しています。保育理念・保育方針とのバランスを考え、その時代に合った経営理念をプラッシュアップしてください。経営方針と保育理念・方針がうまくリンクしているかどうかを定期的に確認し、齟齬があった場合には改善するようにしましょう。

まとめ

今回は保育園における経営理念の重要性について解説しました。経営理念とは、経営者を含むすべての従業員にとって重要な判断材料となるものです。すべての従業員にとって納得のできる内容の経営理念を作り、浸透させておくことで一貫した対応が取れるようになるでしょう。

また経営理念とは、社会に対して自社・自園の存在意義や価値観を示す材料にもなります。今回紹介したポイントを参考に、保育園の内外に対して魅力をアピールできる経営理念を作成してくださいね。

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