市場予測から見る保育施設のICT化。保育所に求められる変革とは?

こんにちは、ICTキッズ編集部です。2018年8月、市場調査会社シード・プランニングは保育関連企業や現在保育所に勤務している保育士に対して調査を行い、「保育園・幼稚園・認定こども園のICT化関連市場規模予測」を公表しています。今回はこの調査結果の概要と、これから拡大していくであろう保育現場のICT化に向けて施設が取り組むべきことを考えていきます。

これから保育のICT市場はどうなるのか?

シード・プランニングの「保育園・幼稚園・認定こども園のICT化関連市場規模予測」は、ICT化関連市場の領域として「ICTシステム」「ベビーセンサー/午睡見守りツール」「インターネット写真販売サービス」「ネットワークカメラ」の4つを選定して調査を行ない、今後の保育ICT市場の先行きを占っています。4領域を合わせた市場規模は2018年度に186億円と推計しており、保育ICTの分野は今後も成長を続けると予測。2025年には382億円に達するだろうと結論付けています。

今回の調査では、主に保育業務に関するICTのみを取り上げていますが、教育用タブレットや電子黒板といった教育用ICTを含めれば、市場規模はもっと大きいと思われます。教育ICTはすでに小学校などでの導入事例が増えていることから、今後は幼稚園や保育園でも導入が進むのではないでしょうか。

ICTシステム

保育施設の収入に直結する保育料は、園児の登園・降園時間の記録をもとに計算されます。そのため、正確な時刻の記録が必要です。また保育士は毎日の保育計画を立てて保育を行う傍ら、園児一人ひとりの連絡帳に子どもの様子を記録し、保護者とのきめ細かい情報共有に努めています。

それらの作業時間を短縮し、保育士の業務負荷を軽減するために開発されたのが保育ICTシステムです。指導案の作成に重点が置かれたものや保護者とのコミュニケーションに特化したものなど、さまざまなシステムが登場しています。保育施設では園の課題に合わせたシステム選定が必要です。

シード・プランニングの予測

シード・プランニングでは、園の業務支援と保護者とのコミュニケーションツールについて調査し、2018年度の市場規模は50億円前後と推計しています。まだ補助金事業を実施していない自治体があることから、2020年ごろまでは急成長すると見込んでいます。

ベビーセンサー/午睡見守りツール

乳幼児突然死症候群(SIDS)は、原因も特定されていないため予防が難しい病気です。うつぶせ寝で亡くなることが多く、寝姿勢が関係している可能性があるものの、窒息死と異なり容態の変化が見られません。保育施設ではこれ以上悲しい事例を増やさないため、午睡チェックを実施しています。

午睡チェックは5分おきに園児一人ひとりの呼吸や寝姿勢を確認して記録をつけます。また、うつ伏せになっている子どもを見つけたら仰向けに姿勢を変えます。

この作業は保育士の負担が大きいため、見守りツールが開発されており、布団の上にセンサーを敷くマットタイプや乳児の服にセンサーを取り付けるタイプなどが登場しています。2018年度からは厚生労働省や東京都が補助金の給付を行っています。

シード・プランニングの予測

2018年度の市場規模は70億円前後と推計しており、費用のほとんどが導入コストです。補助金事業がひと段落すると思われる2021年以降は、市場が縮小すると予想しています。

インターネット写真販売サービス

保護者に向けてインターネット上で写真を販売するサービスは、単独で行うオンラインサービスや保育ICTシステムに組み込まれているものなど、形態はさまざまです。これらのサービスは厚生労働省などの補助金対象外ですが、保護者へのサービス向上とともに職員の業務効率UPが見込めることから、導入が進んでいます。

シード・プランニングの予測

2018年度の市場規模は64億円前後、2025年度にはICT化関連市場の70%を占めると予測しています。今後は動画などの新商品が登場する可能性もあり、さらなる成長を期待するとしています。

ネットワークカメラ

もともと防犯用に設置されていたネットワークカメラは、保育室の様子を保護者に届けるために利用されるケースが増えています。保護者は保育士の話や連絡帳だけではわかりにくい我が子の様子を、仕事の合間や休憩時間に見ることができます。

シード・プランニングの予測

現時点の保育施設の監視カメラ導入率は60%程度で、大半がアナログカメラのようです。2018年度の市場規模は2億円前後と推定され、未設置の園への新規導入とデジタルカメラへの移行が今後の市場となる見通しです。

<参考>
シード・プランニング:プレスリリース
保育園・幼稚園・認定こども園のICT化関連市場規模予測
2020年の国内教育ICT市場を予測

保育の現場が今後取り組むべきこと

スマホやタブレットを利用するICT技術が、どんどん保育施設に取り入れられていきそうね。これから幼稚園や保育園ではどんな準備をしていったらいいのかしら?

いい質問だね。いざという時に困らないために、今からできることを考えてみよう!

保育ICTシステムの導入の検討

平成31年度の国家予算はまだ確定していませんが、今後も保育ICTシステムの導入に補助金が支給される可能性は高いと思います。補助金の募集時期は自治体によって異なり、期間も短いケースが多いです。

募集と同時に申請手続きを行うためには、あらかじめ導入するICTシステムの選定をしておく必要があります。補助金対象となるICTシステムには一定の条件が設けられていることが多いため、過去の募集要項などを確認しておくと良いでしょう。

職員のICTリテラシーの向上

経済産業省が公開している平成 28 年度産業経済研究委託事業「保育ニーズに応じた保育供給の在り方及び保育の経営力向上に関する調査研究」の中では、ICTを導入しても活用できない保育士の多さが指摘されています。普段からパソコンやタブレットなどに触れる機会がないと、心理的なハードルが高くなりがちです。

この報告書の中では、保育士資格のカリキュラムにICTに関する項目を含めることが提言されています。また、保育現場でICT機器を導入した業務のOJTを行ったり、ICTスキル向上研修への「参加、システム提供会社によるアフターサポートなどの必要性が指摘されています。

主要な保育ICTシステム事業者は、導入研修や導入後のサポートを充実に取り組んでいます。システム導入の際にはサポート体制も確認し、頼れる業者を選ぶと良いのではないでしょうか。

<参考>
経済産業省:平成 28 年度産業経済研究委託事業「保育ニーズに応じた保育供給の在り方及び保育の経営力向上に関する調査研究」

まとめ

保育施設の課題は、重大な社会課題である待機児童問題と密接に繋がっています。保育の仕事が非常に尊いものであり、たくさんの人に必要とされていることを改めて認識し、保育士の働く環境を整え、子どもたちの笑顔を増やす取り組みを進めていきたいものです。

保育ICTシステムは、毎日子どもたちのために奮闘する保育現場の皆さんをサポートするために作られました。是非この機会に導入を検討してください。

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