待機児童問題の原因である保育士不足を解消する方法

こんにちは、ICTキッズ編集部の竹内です。待機児童の問題に対し、各自治体が今、必死になって対策を行っています。中でも東京都の小池知事の対策が神がかっているのだとか。そもそも人口減少がはじまっている日本において、どうして待機児童問題がおこるのでしょうか?

その原因の1つとして保育士不足が挙げられます。なぜ保育士不足になっているのか、その理由を明確にした上で、園や自治体にどんな解決策が求められてくるのかを検討していきたいと思います。

保育士の求人の現状と地域別の問題

保育士の求人倍率は年々高くなっています。求人倍率が高いと言うことはどういうことなのでしょうか?求人倍率は求職者1人あたりに何件の求人があるかを示すもので、有効求人数÷有効求職者数で算出されます。例えば100件の求人に対し50人の求職者がいれば、100÷50=2。つまり、求職者に対して2倍の求人があるということです。

出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

こちらは平成27年10月までの全国の保育士の求人・求職状況を表したグラフです。紫色の有効求人倍数が年々平均して高くなってきていることが見て取れますね。求人倍数が高い地域を見てみると東京都が最も高く、平成27年度10月時点で5.39倍となっています。基本的に人口の多い首都圏での求人倍率が高いことは予想がつきますが、広島県が3.27倍、和歌山県で2.33倍、鳥取県で2.31倍となっているところを見ると、保育士の減少というよりも人口減少そのものが問題であるように感じます。

潜在保育士増加の現状とは

平成25年の厚生労働省統計情報部の社会福祉施設等調査によると、保育士の離職率は全体で10.3%となっています。ほかの職種と比べてもさほど高い数値というわけではありません。

出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

このグラフは潜在保育士数の推移を表したものになります。これを見て分かるように保育士の数は増えているにもかかわらず、保育士の勤務者数はほぼ横ばいです。このデータから、保育士の資格を取ったとしても、保育の以外の職場に就業していることがうかがえます。

保育士の求人掲載はこちら

有資格者が保育士をしない理由

保育士資格を取っても保育の仕事をしない原因は、大きく分けて2つあるといわれています。1つは給与面での処遇です。保育士の現金給与平均額が全職種平均金額よりも100万円近くも少ないことが一番の原因と言われています。国家資格でもある保育士の資格を取得したにもかかわらず保育士として働かない理由は、100万円の誤差で十分に説明がつくのではないでしょうか。

出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」

保育士は“子ども”の安全を預かる職業であるため、ほかの業種に比べて責任が重く、さらに業務内容も多岐に渡るので作業時間が長くなります。保育士の業務の多さや責任の重さに比べると、ほかの業種は精神的な負担が軽いにもかかわらず、収入差が100万円という現実は2倍~3倍もの違いに感じられてしまうのは当然でしょう。その結果として、保育士は魅力ある職業から程遠いものとなり、潜在保育士の数は増え、保育士不足が起こっていると考えられます。

現代の就職先選択基準から見た保育業

そもそも人が就職先を決める要因とはなんなのでしょうか?様々な理由から、人は就業先を決めています。企業の人財採用に関するコンサルティング事業をおこなっている株式会社ディスコ(http://www.disc.co.jp/)の調べによると、

出典:株式会社ディスコ プレスリリースより(http://www.disc.co.jp/pressrelease/detail/17monitor201601-3579.htm)

「給与・待遇が良い」ことが就職先を選ぶ際に重視する点として、高い位置にあることがわかります。また給与・待遇を重視する傾向は年々強まっているようです。他業種に比べて給与・待遇が良いとは言えない保育業界は、必然的に学生から志望されない職種になってしまっているのではないでしょうか。

まとめ

以上のことから、保育士不足を改善するための解決策が見えてくると思います。一番良い方法は、給与面での処遇の改善をすることです。ですが、いきなり100万円近く年収を上げることは難しいと思います。国の補助や地方自治体における補助によって保育士の年収を少しずつサポートしていくことが良い方法なのでしょう。

つまるところ、給与の改善を行うだけで保育士の数を増やすことは十分に可能だと言えます。潜在的な保育士の数は現就業人数の2倍近くも存在しており、就職の選択基準として「給与が高い」ことが挙げられるからです。給与面の改善が図れない保育施設では、ICTシステムを導入することで積極的に業務効率化を行い、職場環境の改善に努める姿勢を打ち出すことが、潜在保育士にむけてのアピールポイントになるのではないでしょうか。

保育士の求人掲載はこちら