子どもたちのやってみたいが溢れる!保育とあそびの情報サイト”ほいくる”とは?

こんにちは。ICTキッズ編集部の吹野です。今回は「HoiClue♪(ほいくる)」(保育や子育てに繋がる”遊び”情報Webサイト/保育や遊びを楽しく記録するアプリ)を運営する株式会社キッズカラーの代表取締役、雨宮みなみ氏にインタビューを行いました。

どのような経緯で事業をスタートしたのか、サービスの裏にはどんな想いが込められているのかをたっぷりお伺いしました。今後の保育や子育てについて、一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

「ネタ」ではなく、「タネ」

―「HoiClue♪(ほいくる)」について簡単に教えてください。

(雨宮氏)
掲載として一番多いのは”あそびのタネ”ですね。手遊び、製作遊びなど色々あるんですけれども、こだわっているのが「ネタ」じゃなくて「タネ」という言い方です。“あそびのタネ”とか“学びのタネ”とか。

「HoiClue♪(ほいくる)」を作ったときから思っていたことなんですが、保育って正解がないじゃないですか。遊びにも答えがない。あくまでも私たちが届けるのは答えではなくて、ひとつの「きっかけ」です。「Hoiku(保育)」+「Clue(きっかけ)」=HoiClue♪(ほいくる)っていう意味なんですが、掲載しているコンテンツはあくまでも「タネ」であって、それをどう育てて花を咲かせるかは見ている人次第と思っています。

よく「何歳児にはどういう遊びがいいですか?」という質問をいただくのですが、私たちはその保育士さんの先にいる子どもたちの姿やようすを知らないので、例えば3歳児だったらこれかな?って思うものはあっても、本当にそれが心からお勧めできるかどうかというと微妙です。保育士さんが子どもたちの姿に合わせて、遊びの「タネ」をどう育てるかがより良い保育につながると思うんですよね。

2歳児クラスでも、2歳になったばかりの子もいれば3歳に近い子もいるわけで、全然違うじゃないですか。目安としてはもちろん見やすいし、便利っていうのはあるかもしれないですけど、”何歳”でくくる伝え方が適切なのかどうかについては葛藤があるので、今はやっていません。子どもの姿を見ていないから、自信をもって勧められないですね。

―なるほど、「HoiClue♪(ほいくる)」に年齢や月例別のコンテンツがない理由がよくわかりました。ところでキッズカラーとして会社を立ち上げたのには、どういった背景があったんですか?

(雨宮氏)
会社の立ち上げよりも先に「HoiClue♪(ほいくる)」というサービスを始めました。これをどういう風に運営していこうか?と考えたときに立ち上げたのが株式会社キッズカラーです。そもそも「HoiClue♪(ほいくる)」は、子どものそばにいる大人が疲弊している姿っていうのはどうなのか、違和感を感じたことに端を発しているんです。

私が保育士として働いていた当時から、現場は本当に大変で、先生達が疲弊していたんですね。…まあ、自分もその中にいて疲弊していたんですけど(笑)。その頃から、保育士のサポートの体制はあまり整っていませんでした。現場視点で『これがあったらもっとゆとりを持って子どもたちとの時間を豊かに楽しめるのにな』っていうことを形にしていくところから始まった感じですね。

あったらいいなを形にしました!

―立ち上げの作業はお一人で始めたのですか?

(雨宮氏)
最初はパートナーである夫と2人で始めました。保育園にいたときって、やっぱり自分のクラスのことで目一杯じゃないですか。だから視野が狭かったんですね。それを外に広げてみるというのは、私一人では出てこない発想だったかなと思います。夫と二人、お互いの強みを活かしてやってみようか、みたいなスタートでした。始めは世の中の課題をなくしていこう!というような大きいものではなく、“あったらいいな”を形にしてみよう、というところからのスタートだったので、チャレンジできたのかなと。

―実際に「HoiClue♪(ほいくる)」を運営するなかで、どのような反響がありましたか?

(雨宮氏)
「HoiClue♪(ほいくる)」は、はじめは全然でしたよ。ひとつ新しいことを始めるのは、思っているよりも難しんだなと実感しましたね。

「このイラストみたことある!」から始まった

(雨宮氏)
でも地道に運営しているうちに、保育士さんから「もうちょっと早く知りたかったです」とか「この遊びをしてみたら反応がどうだった」とか、ちょっとずつそういう声が届くようになって、少なくとも自己満足ではなく、何かの役に立っているんだなと思えるようになりました。

―手遊び動画(youtube)を見て、口コミで広がっていったという流れでしょうか?

そうですね。自分で描いたイラストをスキャンして作っていたので、画質も荒かったですが・・(笑)

―そんなことないです!イラスト動画はなかなかなかったので、新鮮でした。

たしかに手遊び動画(youtube)を見て「なんかこのイラスト見たことある」っていうところから、「HoiClue♪(ほいくる)」につながったというのはありますよね。「HoiClue♪(ほいくる)」って聞くとわからないけどイラストは知ってる、っていう反応はyoutubeの効果もあるのではないかなと思います。

大人も子どもも一人の人間として向き合っている

―理想としている保育を教えてください。

(雨宮氏)
「HoiClue♪(ほいくる)」を運営する中で、いろんな保育園に取材に行かせていただいたり、子どもに関わる人の話を聞く度に「なるほどな」と考えさせられます。毎回いろんなことを吸収しているので、これだというものはないですけど。ただひとつ言えることは、大人も子どもも一人の人と人として向き合っていて、認めあったり学びあったり、感情を分かち合うことが自然とできている場所は、大人も子どももキラキラしていて、お互い無理なく寄り添い合っていて素敵だなと。

もちろん安全面に配慮することとか、絶対外せないポイントはあると思うんですけど、”こう育てなきゃ、教えなきゃ、守らなきゃ”って介入するのではなく、寄り添うような人間関係を見ていると素敵だなと思いますね。大人が思う方に子どもを引っ張ろうとすると、労力がかかるじゃないですか。でも子どもの中に飛び込んじゃえば、大人にも無理がかからないし、楽しい。とはいえ、それってとても難しいことだとは思うのですが。

多くの保育士さんには、「本当はこうしたいけど、こうしなきゃいけない」っていう大人の事情で揺れる部分があると思います。でも園自体が子どもに寄り添う環境ができていると、子どもが主体で、保育士さんにも無理がないからこういう表情なんだな~とか、この関係性だからそういう時間が生まれるものなんだろうな、なんて思います。

「HoiClue♪(ほいくる)」を見たときに子どもの姿を想い浮かべられるか

―保育士さんが日々の保育に集中できる環境にしていくためには、どのようなことが必要だと感じますか?またそのために「HoiClue♪(ほいくる)」がすべきことはどんなことだとお考えですか?

(雨宮氏)
保育士さんは忙しいので、インプットする時間がないんですよね。保育士だった頃の話ですが、自分がクラスを持ったときに、ベテランと新人とでは良くも悪くもこの一年の子どもの成長の仕方は絶対に違うと思ったんです。そう考えたときに、この責任の重さはヤバいぞ!と思ったんですね。(笑)

そのとき、一年間で何十年の経験を積むことはできないけれど、少なくともそれに応じたこと、インプットを増やすことで豊かにすることはできるのではないか、と考えました。しかし当時は情報量が限られていたり、研修を受ける体力も時間もない。そもそもインプットする余裕がないし、環境もなかったんです。これって、とても必要なことなのではないかと。

でも、例えば帰り道に、携帯で「HoiClue♪(ほいくる)」を見て、こんな考え方あるんだなっていうヒントが得られれば、それだけでちょっとだけ視野が広がるんじゃないか?視野が広がれば、子どもたちの育つ保育環境も少なからず広げられるのではないか?と。なので、「HoiClue♪(ほいくる)」は保育士の視野を広げることによって保育を豊かにできる存在でありたいというのが一つです。

もう一つは、「HoiClue♪(ほいくる)」を見たときに、子どもの姿を想い浮かべられるかが課題です。ここはまだまだ成長しないと…と思っているところですけど、「これを保育に取り入れたらうちのクラスの子どもたちが喜ぶだろうなぁ」とワクワクさせられたらいいなと。

みんな忙しいから、ダイレクトに答えを求めにくるんです。でも「次の行事どうしよう」とか「雨だから」っていうその場しのぎの答えを用意するだけではなくて、その条件の先に、子どもの姿が想い浮かべられるかどうか。忙しい中でも、子どもの姿がおざなりにならないように、どう誘導できるのか。ここにこだわっています。

”やらなきゃ”ではなく、“喜ぶだろうな”と思う方が大人もなんだかワクワクしますし、精神的なフォローにつながる部分ってあるんじゃないかなと思っていて。保育士さんそれぞれが持っているものを引き出すことができて、結果的に子どもと向き合うこととか、保育の本質を大切にするところにまでつなげたいと思っています。そういう位置づけで在れるよう、私たちも日々勉強中です。

身近にいる大人がこどものロールモデル

(雨宮氏)
大人がワクワクしているかしていないかで、子どもたちに映る姿って全然違うだろうと思うんです。すごく疲れていて、今日も一日だるいなと思っている大人の「おはよう」と、すがすがしい朝を迎えている大人の「いい天気だね!おはよう!」という挨拶では、子どもが感じることって全然違うと思うんですね。

いきいきしている大人の姿は、保育士に限らず子どもに繋がる部分があるんじゃないかなと。”子どものために”何かさせようとか、こういう環境を作ろうと無理して頑張って肩に力を入れるよりも、まずは自分自身もワクワクしたり驚いたり学んだり、悲しんだり悔しがったり成長したり、日々の色々なことを感じてイキイキすることが結果的に子どもたちの育ちにつながるんじゃないかなと。抱えている課題や負担をプラスに変えるような働きをしたいなと思っています。保育士さんをはじめ、子どもの近くにいる大人が豊かになることで、子どもも豊かになると思うんですよね。

―すばらしいお話ですね!是非今後のビジョン、具体的にやっていきたいところについて教えて頂きたいです。

(雨宮氏)
「HoiClue♪(ほいくる)」の先に考えていることはたくさんあります。ただ、具体的には秘密ですけど(笑)。保育という面でいくと、ただ答えを用意している便利なサイトであれば「HoiClue♪(ほいくる)」じゃなくて良いと思っています。キッズカラーがすべきことは、子どもの姿に寄り添える場所として、あくまでも情報をひとつのきっかけとして提供することなんです。情報が溢れていくなかで、本質的なこと、子どもの姿につながる場として、保育とあそびのプラットフォームとして、成長し続けることに引き続き注力していきたいと考えています。

それから、今”知育”など子育てにおいても色々な情報が溢れていますが、そのなかの一つの考え方として、”あそび”の価値を広げていきたいな、と。私としては、うまくやるための大人の助言よりも、「子どもたちのやってみたいが溢れる!!」という環境が大切だと思っていて。保育の世界を飛び出した情報発信、幅広い情報も発信していきたいですね。遊び心というか、思わず大人もククっと笑っちゃうような、「タネ」を幅広くまくことにより、大人が子どもに優しく寄り添えるような社会を広げていきたいというのが、私たちキッズカラーのビジョンです。

―子どもの姿や成長に寄り添うことを主軸としているキッズカラーさんが、今後どのようなサービスや事業を展開していくのか、とても楽しみです。本日は長い時間、取材にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

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