夏の暑さ対策は大丈夫?子どもの熱中症について知ろう!

2018年7月17日、校外学習から戻った小学1年生の男児が熱射病(重度の熱中症)で亡くなりました。子どもは自分の不調を自分の言葉にするのが難しく、うまく伝えられないことも多いです。連日続く暑さで熱中症にならないように、周りの大人が注意を払う必要があります。今回のような悲しい事故を防ぐためにも、子どもの熱中症について知識を深めましょう。

熱中症とは

熱中症は高い気温・室温や湿度が原因となって起こる症状の総称です。暑い日差しの下だけでなく、部屋の中でも発症します。日本は海外に比べると夏の湿度が高く、温暖化の影響で日中の最高気温も上昇傾向にあります。そもそも熱中症が起こりやすい環境なのです。

熱中症のメカニズム

人間の身体は筋肉で熱を作ったり、皮膚から熱を逃がしたりして体温を36〜37℃に保っています。気温の高い場所にいたり運動したりして体温が上昇すると、脳は身体の表面に流れる血流を増やして、熱を外に逃がそうとします。熱中症になると、この体温調節機能がフル稼働するために、さまざまな不調が現れます。

熱失神

身体は体温の上昇を抑えるため、通常よりも多い血液を身体全体に送り出すと、一時的に脳への血流が減ることがあります。そのとき、脳が酸欠状態になって“めまい”や“ふらつき”を起こすことがあります。これを「熱失神」と呼びます。

熱疲労

身体は体温の上昇が激しくなると、汗をかいて熱を放出しようとします。ところが汗で失われた水分を十分に補給できないと、脱水症状を引き起こしてしまいます。脱水の状態が続くと全身倦怠感や頭痛、嘔吐などを発症することがあり、このような症状は「熱疲労」と言われます。

熱けいれん

汗は血液から作られています。水分だけでなく、ナトリウムやカリウムといった電解質(イオン)を含んでいるため、汗をかくと水分と一緒に電解質も失われます。しかし汗をかいた時に水分だけを補給していると電解質不足が起こってしまいます。

血液中に含まれる電解質のうち、最も多い成分はナトリウム(塩)です。ナトリウムは身体の水分量や浸透圧の調節、神経の伝達、筋肉の収縮などに使われます。そのため塩分が不足すると、手足がつったり、筋肉のけいれんを引き起こします。これが「熱けいれん」です。

熱射病

大量の汗をかいて体内の水分や塩分の不足が激しくなると、体温調節がうまくできなくなります。体温が上昇しすぎて意識障害を引き起こした状態が「熱射病」です。「熱射病」は体温の異常上昇を伴いますが、体温調節機能が働かないため発汗が見られないのが特徴です。急いで冷却療法を行わないと命を落としかねない大変危険な状態です。

熱中症が起こりやすい時期や場所

熱中症は最高気温が30度を超えると急激に患者数が増加します。強い日差しや高い気温だけでなく、湿度が高くて蒸し暑い日も熱中症を発症しやすいと言われています。特に梅雨明け直後で身体が暑さに慣れていない時期は、体温の調節機能がうまく働かないことも多いので、気温がそれほど高くないからといって油断は禁物です。

夜間の気温が25度を超える熱帯夜は、寝ている間でも熱中症になることがあります。乳幼児や体力のない人、高齢者、持病がある人は熱中症になりやすい傾向にあるので、特に注意しましょう。

<参考>大塚製薬:熱中症が起こるメカニズム

なぜ子どもは熱中症になりやすいのか

子どもは大人よりも熱中症になりやすい傾向にあります。なぜなら子どもは大人より背が低く、野外では熱くなった路面からの照り返しを受けやすいからです。例えば気温が35度の場合、地面からの放射熱のために子どもの体感温度は40度になる場合もあります。

子どもは身体が発達途中のため、臓器の働きが不十分であることも理由に挙げられます。例えば筋肉は水分を多く含んでいますが、筋肉量が少ないと水分の出入りが激しくなり、脱水になりやすいのです。また腎臓は体液の喪失を防ぐ機能を持っていますが、子どもは腎臓機能の発達が不十分なので、水分や電解質が失われやすい傾向にあります。

乳幼児は特に汗をかく機能の発達が不十分なので、暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかります。このため、体温を下げるのにも時間がかかり、体温が上昇しやすくなります。

子どもは何かに夢中になると、のどの渇きや気分の悪さに気づかない場合があります。自分の意志で水分補給の判断ができないため、知らないうちに脱水を起こしやすくなります。

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熱中症の予防と対策

屋内活動での傾向と対策

クーラーが効いている屋内でも熱中症になる危険性があります。特に気温の上がる13時〜15時は注意が必要です。屋内熱中症を防ぐためには、室温をこまめに確認し、エアコンや扇風機で温度や湿度を調節します。遮光カーテンや すだれ などを利用するのもよいでしょう。

衣服は通気性があり、速乾性のあるものを着せてください。子どもがのどの渇きを感じなくても、こまめに水分や塩分、または経口補水液などを補給するように促しましょう。

野外での活動と対策

野外活動をするときは気温や湿度が高くなるので、屋内以上に注意する必要があります。外出する時は吸湿性や通気性のよい衣服や帽子を着用し、日陰を選んで歩きましょう。運動をするときは適度に休憩を取るとともに、頻繁に水分と塩分を摂取します。また体調がすぐれないときは無理をせず、運動を控えましょう。気温が28度以上で風がない場合は、野外活動を中止して屋内活動に切り替えましょう。

なお、イベントなどを予定していて、中止するかどうか判断に迷うのであれば、環境省の熱中症予防情報サイトの「暑さ指数(WBGT)」を判断基準にすると良いと思います。

<参考>環境省:熱中症予防情報サイトの「暑さ指数(WBGT)」

熱中症の症状がみられたときの対処

子どものこんな症状に注意

子どもは自分で体調不良を訴えることがうまくできません。そのため、周りの大人がサインを見逃さないことが大切です。以下のような熱中症が疑われる症状がある場合は、涼しい場所に移動させ、服を緩めたり身体を冷やすなどの応急処置をしましょう。

・ふらついている ・熱がある ・元気がない ・ぐったりしている

・急に「疲れた」と発言する ・お腹が痛いという ・嘔吐 ・頭痛

・「気持ち悪い」と吐き気を訴える ・からだが痛いという ・鼻血

・腹痛、下痢 ・目の焦点が合わない ・よく眠れたはずなのにあくびをする

・意識がない(重症の場合) ・けいれんしている(重症の場合)

軽症の場合

めまいや頭痛、腹痛、手足の痛みなどを訴える場合は、涼しい場所で頭を低くした状態で寝かせ、経口補水液を飲ませてください。けいれん、吐き気などが見られれば症状が重くなっているサインですので、病院を受診しましょう。

重症の場合

意識がぼんやりしていたら、すぐに救急車を呼ぶようにしてください。全身のけいれんや、体温が40度以上あって汗が出ないといった症状が見られた場合は、特に危険な状態です。救急車を待っているときは、涼しい場所に移動させ、動脈が皮膚近くにあるわきの下や足の付け根を冷却材などで冷やしてください。

<参考>大塚製薬:熱中症が疑われる時の応急処置

手づくり経口補水液レシピ

熱中症予防のためには水分と塩分の摂取が大事です。水と一緒に塩タブレットを摂取するのもよいですが、水分、塩分、糖分のバランスのよい経口補水液もおすすめです。スポーツドリンクは糖分が多いので、大量に飲みすぎると急性糖尿病を発症することがあるので注意してください。

市販の「経口補水液」は有効ですが、普通の飲料水よりも値段が高く、薬局でないと手に入らない場合があります。経口補水液は誰でも手軽に作れるので、レシピを覚えて手づくりするのも良いと思います。

【分量】

・水 1リットル

・砂糖 大さじ2 〜大さじ4.5(好みの甘さで)

・塩 小さじ½

・レモン果汁 50ml

※適度な糖分が入っていると、小腸での水分、電解質の吸収が良くなると言われています。そのため砂糖は分量通りに入れてください。また、補水液は保存が効かないので、1〜2日以内に飲むとようにしてください。

手作り経口補水液は熱中症予防には有効ですが、実際に熱中症になった場合は市販のもので対処するようにしましょう。

まとめ

熱中症の症状や予防についてみてきました。子どもは熱中症弱者であり、症状が気がつきにくいので、大人がよく見ておく必要があります。重症化しないように予防法を徹底したり、軽度の症状をいち早く気づいて対処していきたいですね。

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