大切なのは日頃の備え!保育施設が行っておきたい災害別の対策

日本は世界有数の地震大国です。国土は4つのプレートにまたがっています。太平洋プレートが北米プレートの下に沈み込んでいるため、ひずみを解消するためにプレートが跳ね上がると地震が起こります。日本各地には活火山や活断層もあり、それらの活動によっても地震は起こります。

近年は温暖化の影響からか、過去に例を見ない強力な台風が直撃し、洪水や突風の被害も発生しています。身近なところでは電源プラグのほこりに引火して火事になるケースもあります。いつどんな災害に見舞われるかわからないからこそ、日頃からの備えが大切です。

災害の種類に関わらず用意したいこと

非常用の備品

災害に備えて非常用持ち出し袋に備えておきたい品はいろいろあります。乳幼児を預かる保育園では、一般的な備品に加えておむつやおしりふき、非常用の粉ミルクや離乳食なども必要です。ラジオや携帯電話などは便利でも、電気がなければ使えません。乾電池や手回し発電機、携帯の充電器などを用意しておくことも重要です。

<保育施設で非常用に用意しておきたいもの>

  • 飲用水・食料(最低3日分)
  • 乳幼児用品(おんぶ紐、おむつ、おしりふき、粉ミルク、哺乳瓶、離乳食、お菓子など)
  • バスタオル・着替え
  • ウェットティッシュ・ビニール袋
  • 懐中電灯・ホイッスル
  • 非常時の連絡先リスト・児童の名簿・防災マニュアル

など

持ち出し袋に物品を収納するときは、水に弱い食べ物やタオルなどをビニール袋に入れた状態でしまいましょう。水害で持ち出し袋が濡れてしまっても、ビニール袋が中のものを保護してくれます。飲用水は粉ミルク用にも使えるように軟水を用意しておくとよいでしょう。

<参考>
内閣府「TEAM防災ジャパン」:保育施設のための防災ハンドブック(作成/経済産業省)

保護者との連絡体制

今では携帯電話やスマートフォンが普及し、通信手段が固定電話しかなかった時代に比べると格段に連絡が取りやすくなっています。しかし災害時には回線の混雑で電話がつながりにくくなるケースが多いです。

緊急時には電話以外の方法でも保護者に連絡できる仕組みを構築しておく必要があります。保育ICTシステムの中にはメールの一斉配信機能や保護者向けアプリのプッシュ通知など、連絡の手段を複数用意できるものがたくさんあります。災害時の備えとして、ICTの導入を検討するのも一案です。

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子どもたちへの教育

地震のときは落下物から頭を守る態勢を取ったり、水害の心配があるときは高台に避難したり、状況によって取るべき行動は異なります。定期的に避難訓練を行って、災害に遭ったときにどう行動すべきかを子どもたちにも伝えましょう。

非常時はただでさえ心細いものです。さらに知らない場所が避難所では不安を助長します。移動訓練を兼ねて定期的に避難所を訪れておくなど、災害時でも子どもたちの不安を最小限に留められるように備えておきましょう。

地域との連携

日頃から地域の人とのコミュニケーションを取っておきましょう。災害が発生すると子どもたちは情緒不安定になりがちです。大声で泣いたり落ち着きがなくなったりすることで、周りの人が不愉快に思うかもしれません。広い心で受け止めてもらうためには、普段から良好な関係を築いておくことが必要です。

<参考>
高知県教育委員会:保育所・幼稚園等防災マニュアル作成の手引き

地震への備え

建物の安全性は大丈夫?

2018年6月に発生した大阪府北部地震では、小学校のブロック塀が倒れて少女が下敷きになる事故がありました。建築基準に関する法律は更新される前の建造物には適用されないため、法令違反のまま放置されているケースも少なくありません。定期的に専門家のチェックを受け、安全性に問題がないか確認しましょう。

大型の家具や楽器にも注意

地震でピアノやオルガンが動くとそれ自体が凶器になることが考えられます。大型の家具や楽器は専用器具でしっかりと固定しましょう。また地震による落下物を防ぐため、高いところに硬いものや重い物を保管するのは避けましょう。

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ガラスにも対策を

安全面の配慮からガラス製品の利用を避ける園は多いと思います。しかし職員室や給食室を確認してみると、ガラスを使った備品があるかもしれません。ガラス小物の下には布を敷いたり、ガラスに飛散防止シートを貼ったりして、割れても破片が飛び散ることがないよう対策をしましょう。

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<参考>
全国保育協議会:「東日本大震災被災保育所の対応に学ぶ」

突風や津波・洪水への備え

ハザードマップの確認

地方自治体は管轄エリアのハザードマップを作製し、ホームページなどで公開しています。ハザードマップには洪水や土砂災害、津波などのリスク情報がまとめられており、その土地の特徴なども知ることができます。

園の周辺に洪水やがけ崩れの心配はないか、津波の恐れがあるときにはどこに避難すべきかなど、ハザードマップには避難計画の立案に役立つ情報が詰まっています。防災意識を高めるためにも確認しておきましょう。

窓ガラスの対策

近年、大型の台風が日本付近にやってくる回数が増えているようです。それに伴い突風や水害の報告も増えています。突風で巻き上げられた建物の屋根が窓を割って入ってくるようなケースも見られます。

もし窓が割れても子どもたちに危険がないように、窓には飛散防止フィルムを貼っておきましょう。また強風の恐れがあるときはカーテンを引いて、なるべく窓から離れた場所で過ごすようにしましょう。

排水溝などの掃除

道路や園庭の排水口は普段からきれいにしていますか?大雨の際に排水が上手くいかないと浸水等の被害に発展する可能性があります。

雨水ますの中に土や砂が入りこんで水を貯めるスペースがなくなっているケースもあります。定期的に排水経路の状態をチェックし、必要に応じて清掃しましょう。また排水口の上に物を置くのもやめましょう。

土のう・水のうの準備

大雨や洪水による浸水の危険があるときは、土のうを積んで水の浸入を防ぐことができます。小規模な水害であれば、ゴミ袋に水を貯める簡易水のうでも対応が可能です。作った水のうは段ボール箱に詰めて、出入口の前に隙間なく並べましょう。ブルーシートやレジャーシートで包むと、さらに強度が増します。

がけ崩れや土石流の予兆の知識

がけ崩れや土石流は、予兆現象があることで知られています。例えばがけ崩れが起こる前には崖から小石が落ちてきたり、崖に亀裂か入ったりすることが報告されています。川の水が急に濁ったり流木が流れてきたりするときは、土石流の危険があります。

土砂災害の多くは1時間に20mm以上、降り始めから100mm以上の雨量になると発生しやすくなります。頻繁に雨が降り、地面が緩んでいる状態で大雨が降ると危険性が増します。そんな時は気象情報をこまめにチェックし、いつでも避難できる体制を整えておくことが肝要です。

<参考>
平塚市:家庭でできる浸水対策
千葉県:土砂災害の予兆・前兆現象

火災への備え

東京消防庁は保育施設の防災対策に関する資料をインターネット上で公開しています。平成19年~平成28年までの過去10年間について、東京消防庁管内の社会福祉施設等の火災状況を見ると、第3位に「保育所」、第4位に「その他の児童福祉事業」がランクインしています。

電気機器の使い方に注意

福祉施設等の主な出火原因は電気設備機器が4割を占めています。扇風機や電気ストーブなど、施設内で使用している機器から出火する可能性は否めません。定期的に使用中の機器に不具合がないか調べたり、コンセントの周りに誇りが貯まっていないかチェックするなど、日頃から安全点検を行いましょう。

古くなった機器は突然出火する可能性があります。5年~10年使っている機器は専門家のチェックを受け、必要に応じて新しいものに交換しましょう。

消防計画は施設に合ったものを

社会福祉施設は建物全体の収容人数が30人以上の場合、防火管理者を選任することが義務付けられています。防火管理者は災害の予防や安全確保のための消防計画を作成し、消火および避難訓練を年2回以上実施しなければなりません。

自治体の消防局はホームページで消防計画の例を掲載しているところが少なくありません。しかし、どの施設でも適用できるものではないので、必ず独自の消防計画を作りましょう。作成に困った時は所轄の消防署に相談すると良いでしょう。

<参考>
東京消防庁 予防部 防火管理課 :保育施設の防火防災対策

まとめ

全国保育協議会が公開している「東日本大震災被災保育所の対応に学ぶ」には、災害発生時の経験談が多数掲載されています。「地震の揺れの大きさから危険と判断し、1次避難所ではなく2次避難所に直接向かった」「大人用の仮設トイレは子どもが怖がって行かなかった」「乾パンは硬くて子どもたちが食べられなかった」といった実体験に基づく言葉は、防災マニュアルやシミュレーションだけでは察知できない状況に気づかせてくれます。是非一度、確認してみてください。

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