主任保育士って何をする人? 役割や心構え、求められるスキルを徹底解説

一般企業では一定の経験や実績を積み重ねると役職に就くのが一般的です。しかし保育施設では園長や施設長、主任保育士くらいしか役職がありません。

主任保育士は園の運営にまつわるさまざまな職務を担っていますが、その実態はなかなか知られていません。そこで今回は主任保育士がどんな仕事なのかを考えてみます。

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主任保育士とは

主任保育士は、保育施設の中で園長の補佐役を務めるとともに、保育士をまとめるリーダー職です。昭和50年代後半から最低基準上の職員配置問題とあわせて主任保母(主任保育士)の役割や機能が注目されるようになり、平成15(2003)年度からは一定の要件を満たす認可保育所に主任保育士を置くための国家予算が組まれるようになっています。

データでわかる主任保育士

日本保育協会が2010年にまとめた「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」では、主任保育士の実態がわかるデータが多数公表されています。この報告では、主任保育士としての地位や職務をめぐる状況は「30年経過した今日においてもほとんど変わりない」としています。このことから、少々古い統計ではあるものの、現在の主任保育士の実態にも通ずるものがあると推測できるため、この報告書のデータから主任保育士の実態を読み解いてみたいと思います。

主任保育士の人物像

全体 公営 民営
総数 100.0% 100.0% 100.0%
~29歳 1.3% 0.0% 2.5%
30~34歳 10.7% 2.9% 17.3%
35~39歳 1.2% 0.6% 1.6%
40~44歳 11.7% 7.8% 15.0%
45~49歳 18.2% 14.6% 21.2%
50~54歳 33.2% 43.6% 24.5%
55~59歳 20.1% 27.6% 13.7%
60~64歳 1.5% 0.6% 2.3%
65歳~ 0.5% 0.2% 0.8%
無回答 1.6% 2.1% 1.2%

出典:日本保育協会「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」より引用

このアンケート調査は主任保育士を対象としており、回答者の属性についてまとめられています。主任保育士の年齢は50~54歳が33.2%と最も多く、ほとんどが女性でした。男性の主任保育士は、社会福祉法人などの民営の方が多い結果となっています。

主任保育士になるまでの保育士の経験年数は25~29年が18.9%と最も多く、次いで20~24年、10~14年と続きます。長期にわたって保育の仕事に従事し、一定の経験を摘んでいる人が主任保育士として活躍していることがわかります。しかし見方を変えると20年程度の経験がないと肩書がつかない現状も見えてきます。

担当している仕事

現在行っていること
(1)保育所の円滑な運営 759 67.6%
(2)施設長のサポート役 916 81.6%
(3)保育所の活性化 677 60.3%
(4)職員のスーパーバイザー 478 42.6%
(5)園児の全体把握 1000 89.1%
(6)課題のある子どもへの対応 859 76.6%
(7)家庭の全体把握 796 70.9%
(8)課題のある家庭への対応 659 58.7%
(9)職員(保育士)の資質向上 784 69.9%
(10)相談対応(保護者) 804 71.7%
(11)相談対応(保育士や他の職員) 870 77.5%
(12)地域子育て支援への対応 577 51.4%
(13)地域の関係機関との連携 536 47.8%
(14)その他 24 2.1%
総数 1122 100.0%

出典:日本保育協会「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」より引用

次に主任保育士が担当している仕事に関するアンケート結果を見てみましょう。主任保育士の職務について大きく13項目が挙げられ、それぞれについて現在行っているかどうかを聞いています。

数値を確認してみると、主任保育士が業務として行っている割合はほとんどの項目で50%を超えています。このことから主任保育士として果たすべき役割の多さがうかがえます。

詳しく見てみると、施設長のサポート役はもちろん、園児の実態把握や課題のある子どもや家族への対応、保育士や他の職員の相談対応といった項目で回答数が多くなっています。主任保育士が担当しているのは自治体との窓口のような対外的な仕事よりも、園内業務の割合が多いようです。

ただし、主任保育士が保育士のリーダーとして保育を統括するのであれば、社会的にも関心が高い保育の質の向上のため、保育士をけん引するのが本来の役割とも考えられます。職員のスーパーバイザーや保育士の資質向上などの数値がやや低めとなっていることから、現場対応に追われて本来の業務に注力しづらい状況であることが読み取れます。

主任保育士に求められる能力

「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」では、主任保育士の業務を大きく3つに分類しています。

  1. 人間関係の構築に関わる業務……職員間の人間関係のパイプ役、保護者からのクレーム処理や相談、地域、外部とのコミュニケーションを図るなど、保育所運営を円滑に行うための人間関係の構築に関わる。
  2. 保育や保育士に直接関わる業務(以下、保育業務)……保育課程や保育要録、書類作成の援助・点検や園行事の企画運営、園内の環境整備、ひとりひとりの園児の実態把握、職員の勤務表の作成、職員に専門的な知識や技術を指導する等、保育や保育士に関わる。
  3. その他の業務……保育業務以外の事務作業、財務処理や給食調理、自治体とのやりとりなど。

出典:日本保育協会「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」より引用

人間関係の構築に関わる業務

保育施設は、施設長や保育士をはじめとする職員のほか、保護者や自治体、近隣住民といったたくさんの人が関わる場所です。園の運営を円滑に進めるためには職員同士の良好な人間関係が必要不可欠です。また子どもを安心して預けてもらうためには、保護者との信頼関係を構築しなければなりません。

自治体や近隣住民との関係では、園長の代理や連絡窓口として対応することが増えます。園の代表として責任ある言動が求められます。

これらを踏まえると、主任保育士には豊富な経験と高いコミュニケーション能力が必要です。また多くの人に信頼される誠実さも必要ではないでしょうか。

保育や保育士に直接関わる業務

保育の質の向上のため、経験豊富な主任保育士に寄せられる期待は非常に大きいと思われます。保育を入園から卒園までの一連の流れとして捉えるたり、現在行われている保育を客観的に評価したりすることは、一般保育士の立ち位置では難しいものです。

「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」では、全体の約25%の主任保育士がクラス担任を兼ねていることが指摘されています。一般の保育士と同じ業務をこなしつつ、さらに主任としての役割を果たすことは非常に負荷が重いことが用意に推測されます。業務自体の量を減らすなどの対策が必要です。

その他の業務

主任保育士は園長のサポート役であり保育士の統括責任者でもあるため、職員の勤怠管理やシフト作成といった労務にかかわる事務を担当するケースがあります。事務職員が配置できない保育施設では、延長保育料計算のような作業もせざるを得ない状況かもしれません。

これらの業務は保育ICTシステムを使うことで解決できる可能性があります。必ずしも主任保育士が担当する必要のない業務については、テクノロジーの力を活用するのがよいのではないでしょうか。

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どうしたら主任保育士になれる?

主任保育士については明確な規定がない保育施設がほとんどです。「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」では、東京23区の職員の場合について、「勤続10年程度の保育士が試験を合格すると通称『主任主事』と呼ばれ、翌年4月から等号法が1ランク昇給し、転勤を伴い主任主事の扱いになる。主任主事を5年経験すると係長試験(園長資格)の受験資格が得られ、合格すると『主査』に昇格し、副園長(いわゆる主任)としての働き方をする」と説明されています。私立の保育施設では5年目で主任になるケースもあり、園によってその基準も異なります。

主任保育士になるためには、まずその意思を表明し、主任に必要と思われるスキルを磨ながら、経験を積んでいきましょう。本人に意欲があっても、周囲から主任にふさわしいと認められなければ主任にはなれませんし、なったところで園の運営がうまくいくことはないでしょう。

主任保育士に必要な心構え

主任保育士は保育計画を統括したり、課題のある子どもの対応をするなど、一般保育士よりも難易度が高く、責任の重い業務に携わることが増えます。場合によってはお金にまつわる事務作業を担当するかもしれません。重責を担わなければならない仕事という自覚を持つことは、最低限の心構えです。

さらに保育士全体の良きリーダーとして、適切な立ち居振る舞いが求められます。時には保育士にアドバイスをしたり、相談に応じなければなりません。職員をマネジメントする前に、自分で自分を律するスキルも身に着けておくべきでしょう。

主任保育士が負担に思うこと

主任保育士が仕事に対してどのような意識を持っているのかを調査した結果では、「非常に該当する」「やや該当する」の割合が最も多かったのが「責任が重い」でした。次いで「業務量が多い」「仕事上のストレスが多い」の割合が多い結果となっています。一般保育士に比べると責任が重い業務が山積みになっており、ストレスを感じやすい環境であることは容易に推測できます。

一方で「園内で孤独を感じる」「施設長と職員の板挟みになることが多い」に該当する割合は3割前後と少なめです。しかし保育士の離職理由を掘り下げていくと実は人間関係が原因であることが多いことから、主任保育士にかかる負担は非常に大きいものと予想されます。

ICTシステムで主任の仕事をフォローしよう

保育士ICTシステムは、園の運営にまつわる事務負担の軽減を主な目的としているものが少なくありません。例えば、ICTシステムを使って園児の登園・降園時間の記録を保護者につけてもらうことで、客観的な事実を正確に記録できるようになります。登録されたデータは延長保育料の自動計算に利用されるので、保育料に起因するトラブルが減らせます。

クラウド型のICTシステムなら園児の情報をスマホでささっと確認でき、急遽サポートに入ったクラスの保育も安心して行えます。また指導案の作成に利用すれば、提出された指導案を外出先でチェックして、修正を指示することも可能です。

<参考>
日本保育協会:「主任保育士の実態とあり方に関する調査研究報告書」
経済産業省:保育現場のICT化・⾃治体⼿続等標準化等について

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まとめ

主任保育士になると、保育士全体のリーダーとして保育士の指導をしたり、延長の片腕として園の運営に携わったりと、それまでとは違う業務が増えます。子どもと接する時間が減ってしまったり、慣れない業務に不安を感じたりすることも増えることでしょう。

保育ICTシステムには、そんな主任保育士の皆さんをサポートできる機能が満載です。時間や場所の制約を受けずに情報を共有できるので、保護者の利便性の向上や園との良好な関係構築にも役立ちます。

「システムでどんなことができるのか」「どのシステムに求める機能があるのか」といった情報を集める時間もない方は、ぜひICTキッズコンシェルジュにご一報ください。あなたの保育ICTシステム探しを全力でお手伝いします!

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