全機能がぐーんと進化!『Child Care System+Pro』に込める作り手の想い

こんにちは、ICTキッズ編集部の吹野です。今回は株式会社social solutions(ソーシャルソリューソンズ)にお邪魔して、Child Care System(CCS)+Pro(チャイルドケアシステム プロ)についてお話を聞いてきました。ご対応いただいたのは、ICT課 担当マネージャーの山中さんです。

現場生まれ、現場育ちのシステム

――CCSは以前から独自路線を歩まれている印象があるのですが、どういう経緯で開発されたシステムなのでしょうか?

私どもの会社グループは東京・大阪を中心に保育施設を運営していまして、保育現場における事務業務に必要なシフト作成や登降園管理など、最低限の管理ができる社内向けシステムとしてスタートし、直営保育園ならびにお付き合いのある全国の保育園のみにサービスを展開していました。

あるときNTT東日本さんから「こんなに良いシステムを社内に留めておくのはもったいない。NTT東日本がサポートするので一緒にやっていきませんか」というお声をいただいて、外部の保育施設にも提供するようになりました。それが2014年の7月ですね。

以降、全国の保育士さん、保育園経営者からご意見をいただき、現在、CCS+Proとして生まれ変わり、新機能追加や機能改善を繰り返しています。なので「保育現場生まれ、保育現場育ち」のシステムと言えると思います。

――他のシステムはない機能が多いなとは思っていたんですが、やはり保育現場育ちというところがポイントなんでしょうね。ホントに困ってるところに目を向けて開発されているのですね。

ありがとうございます。弊社はグループ全体として人口問題の解決に取り組んでいます。今後、日本における労働人口は減少の一途を辿りますが、その中でこれから社会を支えていく子どもの教育はとても重要です。そして、しっかりした子どもを育てるためには、保育士さんに余裕がないといけないと考えています。

でも多くの保育園では労働時間が長いだけでなく、忙しすぎてお昼ごはんを食べながら連絡帳を書いてたりしますよね。弊社代表である貞松が実際に園長として園を運営している中で、保育の「質」を向上させるためにはまず「どこを良くしていけばいいのか?」というのがスタート地点でした。

保育の「質」の向上を図るには、まずそのための時間を確保する必要があり、そのためには事務業務の削減が必須でした。それによって本来あるべき保育に専念するための時間を作りだし、保育の「質」の向上のための時間が捻出できるようになりました。事務業務にかける時間が減ったことで、毎日、時間や事務業務に追われることもなくなりましたし、その保育士さん個々に持つ本来の温かみのある環境で子どもを育てられるようになりました。

――わかります。やはり余裕がないと表情に表れがちですし、子どももその雰囲気を察知しますよね。

そうですね。保育システムが全国に普及して保育本来の仕事に専念できる時代になったことがわかれば、約76万人いる潜在保育士が保育現場に戻ってきてくれて、待機児童解消にもつながります。

ある保育園で実際に起きた例ですが、100名の園児を受け入れる予定で開園準備を進めていましたが、そこで働く保育士さんが確保できず、定員60名で開園したということがありました。ということは残りの40名は待機児童のままじゃないですか。

だから施設を作ればいいというものではなくて、そこで働く保育士さんも幸せになってもらわないといけないと思うんですよね。それがひいては保育の「質」の担保にもつながってくると考えています。

シフトの自動作成機能は特許取得済

――今回、CCS+Proという形でシステムが進化しましたね。

CCSでは17あった特徴が、38と大幅に増えました。特にシフト作成は弊社が特許を取っている部分です。例えば「2号認定で標準時間の子だったら○時~○時まで預かる」といったベースとなる情報をCCSに登録します。その情報をもとに1日の中で誰が、いつ、どこで、どういう業務をするという保育士さんのシフト、そして園児の予定が全部一覧になって『ワークスケジューリング』という形で表示されます。これが必要配置保育者数の計算のもとになります。

――園児と職員のスケジュールを登録しておけば、必要な職員数が自動計算で出てくるのですね。有資格者も割り振られるのはすごいですね。これなら「この日は遅番が足りないから補充しなければいけない」とか、逆に「この日は人数が多すぎる」っていうのも一目でわかりますね。

多くの保育園では、今までこの人数でやって来れたから明日も大丈夫だろうという感覚値で運営していることがよくありますが、数値化すると大体5~6名、職員を余分に配置していることが分かります。それでは人件費ももったいないですし、先生たちも2~3人は確実に休めるはずです。この“見える化”が弊社が特許を取っている部分です。

――そうなんですね、ホントにすごいですね。

特許を取得しているワークスケジューリングについて詳しくお話すると、その日1日のスケジュールを15分ごとに区切った表が開きます。15分おきに、いつ、誰が、どこで、どういう業務をするのかを落とし込んでシフトが組めるようになっているのが、弊社が特許を取っている部分です。例えば、○時にはAさんが見守り、その時間にBさんが事務業務をするとか、そういう動きですね。

だいたいの保育士さんは阿吽の呼吸とか、その場の空気で動いていますよね。だから「来週のこの日、この時間は何をする予定ですか?」と聞くと答えられない人が非常に多いです。答えられないということは指示待ちだったりとかその場の雰囲気でないと動けない、つまり能動的に動ける人財として成長できず、スキルの向上にも繋がりません。

――確かに保育の予定とかって曖昧で、保育士はその日、その時に考えてやっていることが多いですよね。臨機応変と言えば聞こえはいいですが、裏を返せば行き当たりばったりなので、先を見据えた保育とは言えないですね。

でもこうして予定が形になれば、あらかじめ自分で調べたり先輩にコツを聞いておくこともできますよね。また、シフトを作成する側としても、その作業が苦手な保育士さんと上手な先輩とで同じ作業をしてもらうことで質の向上を図ることもできます。

シフトの見える化をして業務効率のアップ、保育の「質」の向上に役立ててもらえれば嬉しいですね。ちなみにグループ直営の保育園では作業内容までしっかり入れていますが、スタッフの主体性を持たせたい保育園の場合ために、作業内容は入れなくても運用できるようにはなっています。

Proに進化して機能性がさらに充実

――シフトの他には、どんなところが変わったんですか?

全部ですね。例えばCCSの時は登降園の画面になかった検温入力が増えたり、スタッフの休憩を記録するボタンが増えたりしています。保育計画も以前は今ほど自由度が高くありませんでした。当初はそこまで事細かにしなくても、だいたいの保育園で使えると思っていたのですが、ふたを開けてみたら各園で多様性がありすぎて、なかなか難しかったですね。でもその部分も今では対応できるようになり、全国どの保育園でも合う書式になっています。

メール機能にしても、最初は地震とか火事の際にiPadを持って避難して、避難先から保護者へメールが送れるようになっていました。しかし熊本地震の後、九州で使っていただいているたくさんの園から感謝の声とともに、「どの保護者がメールを読めたのかの既読機能があれば、なお良かった」とか「緊急時には保護者からのメールが受けられる設定に変えたい」といった要望をいただいたので、それに応える形で機能が増えています。

――そうすると、普段は保護者からのメールは受けないけれど、緊急時は園からのメールに保護者が返信できるように切り替えられるようになったんですね。確かにその方がもしもの時に安心ですね。ちなみに保護者専用のアプリなんかもあるんですか?

保護者アプリは現在開発中ですね。でも保護者用のメール画面はすでに実装済みです。普段みなさんがお使いのPCやメールと同じように『送信/受信/おたより』というのがあり、『送信』は保護者からお休みだったり送り迎えの時間変更といった連絡ができるようになっています。『受信』は園からのメールで、既読・未読のボタンがあります。あともう1つ、『おたより』の機能があって、このシステム内で作成した園だより・保健だよりが自動配信されるようになっています。

――この中で作れるのですね!もしかして『おたより』にもフォーマットがあるのですか?

もちろんです。ひと月につき4種類用意しており、もうすぐ5種類目ができる予定です。その季節に合った例文の参照もできるようになっています。例えば8月だったら「熱中症に注意しましょう」とか。園側で簡易的におたよりが作成できるようになっていて、『作業完了ボタン』を押すことで、全保護者に一斉に配信されます。

――すごいですね!これは利用率が高そうですね!?

そうですね、こちらも利用率が非常に高い機能ですね。献立表や写真なども配信できますし、配信されたおたよりは、お父さんとお母さんが同時に受け取れます。

――そうすると保護者専用のページっていうは、IDとパスワードで入る感じですか?そこに入っておけばメールとかもそこから見られるっていうことですか?

現在では、そうですね。従来式の携帯電話(いわゆるガラケー)を愛用している保護者の方もいらっしゃるので、当面は今の形で維持・向上していくことになると思いますが、将来的には現在開発中の保護者アプリにまとめようと思っています。

――なるほど。そういえば、話は変わるんですけど、以前、CCSを使っている園の方から出納帳が便利と聞きました。

そういった声を聴けるのは本当に嬉しいですね。小口現金出納帳も先日、またバージョンアップして、領収書を添付できるようになったり、前月繰越金の取得して今月の予算に上乗せできる機能を追加しました。ほぼ毎週、こういった新機能をリリースしています。

頼れるロボットとサポート体制

――今回、私が最も気になっているのがVEVOくんなんですが、この保育ロボットはどんなことができるのですか?

現在実証実験中ではありますが、大きく3つの機能で開発を進めています。まず登降園管理ですが、ICチップ搭載のキーホルダーをVEVOにかざすと、登園や退園の記録を自動的に行います。それから、VEVOのおでこ部分に検温センサーがついていて、園児が近くに来ると、体温を記録することができます。「○○ちゃん、おはよう!○℃だよ!今日も元気に遊ぼうね」などという感じで音声も出るようになっています。

――そうすると、子どもはVEVOくんのところに行って挨拶をすると記録がつけられるということですね。

そうですね。それでそのデータが、CCS+Proに転送され、保育日誌に反映されるようになっています。あとは、専用センサーを園児のオムツに装着することで常に体温を検知して体調変化を見守れるようになっていますし、午睡チェックとしてお昼寝中の体の向きを検知してこちらもCCS+Proに記録を残します。

――午睡チェックができたら便利ですね!ちなみに、VEVOを開発しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

やはり人口問題ですね。労働人口が減っている中で、既に人の代わりにロボットが働き始めていますよね。スーパーのレジ無人化もそうですし、回転寿司の受付をペッパー君が担当しているのが最たる例ですよね。ロボットは人間よりはるかに情緒も安定していますし常に健康ですので、ロボットに任せられるものは任せて、先生は保育本来の、命を守ることと教育に専念してもらうという目的で。そういう時代の先駆けとして取り組んでいます。

――なるほど!ところで、機械に苦手意識のある方にとって、システムやロボットを導入する際に、最も気になるところが導入後のサポート体制だと思うのですが。

サポートについては、業界の中で弊社が一番手厚いと言われることが多いです。実はサポートは弊社のみでなく、NTT運営のサポートセンターも設置しています。

――NTTさんがサポートを担当しているのですか!?専用の窓口があるということなのでしょうか?

そうですね。CCS+Proの専門知識を持ったチームが専用の窓口を設けられております。平日は夜21時までで、土日祝日もやっています。

――それは安心ですね!

ですので、サポートを評価してCCS+Proを選んでくださるお客様もいます。導入の前にも使い方の勉強会を開かせていただいたり、遠方の場合は遠隔で勉強会を実施することもあります。せっかくシステムを導入しても使い方が分からないと定着しませんし効率化もできませんので、その点はとことん付き合います。

――やはりいつでも繋がる窓口があるのとないのとでは、安心感が違いますよね。トラブルはいつ発生するかわからないので、土日も受付けてくれる窓口があるのは心強いと思います。最後に読者の方に一言メッセージをいただけますでしょうか?

保育施設を運営する会社が作ったCCS+Proは、日本全国の現場保育士さんの意見を吸い上げて設計されたシステムです。今後も皆さんの使い勝手を一番に考えながら、さらなるバージョンアップを予定しています。是非ご期待ください!

「てぃ先生」が解説します 保育業務の効率化!ICTシステムを体験しよう!イベント開催!

関連タグ