今と昔ではこんなに違う!?保育園に求められる意識改革

昭和の子どもたちは、1等賞を目指して運動会のかけっこを必死に走っていました。でも今はみんなで手をつないでゴールするのが普通です。医療分野では研究が進み、昔は不治の病だったガンが早期発見で治る病気になっています。

時代とともに人々が常識とする情報や価値観は変化しています。保育の世界でも昔の常識が現在の非常識になっていることがあるかもしれません。昭和と平成で変わっていることがないか調べてみました。

育児にまつわる常識の変化

時代とともに育児に関する常識が変化しています。最近では子育て世代と祖父母世代の認識の相違によるトラブルを防ぐため、「祖父母手帳」を配布する自治体も出てきました。「今まで信じていた育児のノウハウが実は根拠のない話だった」という事例も少なくありません。

人手不足が著しい保育園では、シニア世代を保育補助として受け入れるケースが増えています。しかし彼らが子育てをしていた時と今では、保育や育児の考え方にギャップが生じているかもしれません。受け入れの際には必要な研修を行い、トラブル防止に努めましょう。

今どき育児の新常識

祖父母世代が子育てをしていた頃は、頭の形が悪くなるという理由でうつぶせ寝が薦められており、母子手帳にもそのように記載されていました。しかし現在は、乳幼児突然死症候群の予防の観点からあおむけ寝が良いとされています。ここからは今と昔で変化している子育てにまつわる常識の一部をご紹介します。

毎日の耳掃除は不要

生まれたばかりの赤ちゃんは、胎内で耳に入った羊水の成分が残っていたり、大人に比べると油分が多く含まれていたりすることから、黒っぽい耳あかが出ることがあります。赤ちゃんの耳あかは湿っぽいこともあり、かつては毎日の耳掃除が推奨されていました。

しかし「1~2歳になると乾いた耳あかになるケースが多い」ことや、「耳の自浄作用で耳あかが自然に外に出てくる」こと、「耳あか自体に殺菌作用がある」ことなどから、多少耳あかが溜まっていても問題ないとされています。

子どもが耳掃除を嫌がったり、耳掃除のしすぎで皮膚を傷つけてしまうこともあります。気になる時は耳鼻科で掃除してもらうと良いでしょう。

傷は乾かさない方が早くきれいに治る

元気な子どもほど滑ったり転んだりして、生傷が絶えないものです。そんな時、消毒液をつけてバンソウコウを貼るのが一般的ではないでしょうか。しかし現在は「消毒すると傷を治そうとする細胞まで殺してしまう」ことや、「傷口から分泌される滲出液には細胞の成長を促す作用がある」こと、また「ガーゼで滲出液を吸い取ってしまうと傷の治りが遅くなる」ことなどがわかっています。ちなみに傷を乾燥させるとできるカサブタは、傷跡の原因とも言われています。

最近では傷口を水できれいに洗って乾燥させないようにする「湿潤療法」が広まりを見せています。ドラッグストアで購入できる湿潤療法用のシートは、傷口から出る滲出液をシート内に貯め込んで膨らみ、傷を乾燥から守ります。

シートは貼る前に人肌で温め、傷口を覆ったら手で1分ほど温めるようにして密着させましょう。傷口の状態にもよりますが、バンソウコウとは異なり、2~3日貼り続ける方が良いそうです。

<参考>
バンドエイド:教えて!傷パワーパッド™

おっぱいもおむつも無理にやめさせない

「1歳までに断乳した方がいい」「おむつは早く取った方がいい」「赤ちゃんが泣くたびに抱っこすると抱き癖がつく」「指しゃぶりは出っ歯になるから早くやめさせた方がいい」……などなど、昔から育児に関するアドバイスはたくさん聞かれます。しかし現在は、赤ちゃんの行動を無理に抑え込むような育児よりも、欲求を受容する育児が推奨されています。

赤ちゃんの行動を無理にやめさせようとすると、子どもは自分が受け入れられていないと感じてしまいます。自己肯定感を育むためにも、抱っこなどのスキンシップで十分な愛情を感じさせてあげることが大切です。

特に保育園に通う子どもたちは両親と一緒に過ごす時間が限られています。保育士だけでなく園のスタッフみんなで愛情をたっぷりと注いであげることが、子どもの成長に良い影響を与えます。

<参考>
NPO法人 孫育て・ニッポン:全国の祖父母手帳
東京ガス「ウチコト」:【教育研究家に聞く】「孫育て」にも必須! 育児の常識、昔と今の12の違い

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保育の需要と供給のバランス

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構:専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2017年より

独立行政法人労働政策研究・研修機構がまとめた資料によると、1980(昭和55)年時点では専業主婦世帯が多かったことがわかります。その後共働き世帯は増え続け、1995(平成7)年頃には双方の世帯数が拮抗するようになり、2000(平成12)年以降は共働き世帯が圧倒的に多くなっています。

保育園の定員の推移

出典:厚生労働省:平成12年社会福祉施設等調査の概況より

厚生労働省が2000(平成12)年に発表したデータを見ると、1975(昭和50)年から1980(昭和55)年にかけて、保育園の定員と利用する子どもの数が増えています。その後1982(昭和57)年ごろから園児数は減少し、保育所の定員も90%を下回るようになっています。ところが1995(平成7)年ごろから園児数が上昇に転じ、2000(平成12)年は定員に対し98.9%の園児が保育園に通っていたことがわかります。

核家族の増加により保育園の需要が高まる

昭和50年代は若い世代が共働きでも、同居する祖父母世代が子どもの面倒を見ていることが少なくありませんでした。ところが平成に入ると核家族化が進み、家族や親族に子どものを預けることができない世帯が増えたため、現在の待機児童問題に発展したものと考えられます。

このような状況の下、2015年には安倍政権が「一億総活躍社会」を掲げました。ところが2016年2月には「保育園落ちた 日本死ね」の匿名ブログで保育園不足が世間に認知され、政府の待機児童対策の不十分さが浮き彫りになりました。

<参考>
厚生労働省:平成12年社会福祉施設等調査の概況
独立行政法人労働政策研究・研修機構: 早わかり グラフでみる長期労働統計

保育園に求められるサービス

もともと共働き世帯の子どもを預かる福祉施設として設置されている保育園。子どもが一日の大半を過ごす場であることから、単に子どもを預かるだけでなく、子どもの成長をサポートする機関として、社会的な期待が高まっています。

高い保育の質

厚生労働省が公開している資料では、海外の調査研究によって「保育の質の高さ(特に、保育者の言葉がけなどプロセス面)が、乳幼児の知的能力や言語発達と関連」しており、「保育者(教師)と子どもとの良好な関係(3歳時点)が、小学3年時の学業成績に影響」するという報告がまとめられています。先生と子どもの関係がその後の子どもたちの成長に大きく影響することから、保育施設で提供される“保育の質”にも関心が高まっています。

教育カリキュラムの充実

社会福祉施設に分類される保育園では単に子どもを預かるだけではなく、教育機関に分類される幼稚園に準ずるカリキュラムを求める保護者も増えています。近年は専任の英語講師を配置したり、希望する園児を近所のスポーツクラブ等に送迎し、保育中に水泳などの習い事に通える保育園が登場しています。またモンテッソーリやイエナプランといった海外の幼児教育の手法を取り入れる保育園も増えています。

保育のプロとして保護者への助言も

都市部では核家族化が進んでいます。また日中は家を留守にする家庭も多いことから、ご近所づきあいも希薄になりがちです。子育ての悩みを誰にも相談できず、煮詰まってしまう保護者も少なくありません。

保育園は子どもを預かるだけでなく、保護者が育児について相談できる最も身近な機関です。保育の専門家である保育士は、保護者とともに子育てをする者として、もっともっと活躍の場を広げられる職業だと思います。

<参考>
厚生労働省:保育をめぐる現状
国立市:平成20年 財団法人ソニー教育財団「保育に関する意識調査」

人手不足の園が取り組むべきこと

待機児童問題を解消するため、認可外保育園や企業主導型保育園が増えています。しかし厚生労働省は2017年をピークに児童数が減ると予想しており、この先園児の定員を確保できなくなる可能性も否めません。

この先、保護者の関心は「保育園に入れるかどうか?」から「どんな保育が受けられるのか?」にシフトしていくことでしょう。そのため園では、保育士が子どもと直接触れあう業務に専念できる環境や、情報をアップデートする時間の余裕を確保しなければなりません。例えば保育ICTシステムや午睡チェックセンサーといった道具を活用することで、業務の効率化が図れるのではないでしょうか。

保育ICTシステムの導入については、国や自治体が補助金を用意しています。地域によっても異なりますが、急に募集が始まるケースは少なくないようです。普段から導入するシステムを見繕っておかないと、申込みのチャンスを逃すことになりかねません。是非ICTキッズのメーカー比較ページで園に必要なシステムを探してみてください。

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まとめ

今回は保育にまつわる昔と今をご紹介しました。社会的な背景や技術の発展により、古き良き保育を貫くだけでは時代に取り残されてしまいかねません。伝統を守りつつ、新しいものや考え方を受け入れられる柔軟性こそ、今後激しい競争が予想される保育業界をけん引する力になると思います。

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