保育支援システムの5つの機能がもたらすメリットとデメリット

こんにちは、ICTキッズ編集部です。保育支援システムは待機児童問題解決の糸口として強く位置づけられています。そのため保育システムの導入補助金が国や自治体から発表されています。

国や自治体、またシステム業者がシステムを導入するメリットを発信していても、業務がどのように改善されるのかイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、基本的な保育支援システムの機能を紹介し、そのメリットとデメリットを検証してみたいと思います。

(1)登降園管理機能

登降園システムとは、パソコンやタブレットを利用して園児の登降園時間の管理を行うものです。このシステムを使うと、登園・降園の時刻を簡単に記録できるだけでなく、集計もしやすくなります。

中には保育のコア時間を設定することで、自動的に延長保育料の計算をしてくれるものもあります。打刻方法については、保育システムによっていろいろなスタイルがあります。

  • PCを利用してクリックによる登降園の打刻
  • タッチパネルによる打刻
  • ICカード・IC定期券等を利用した打刻
  • バーコード読み取りによる打刻
  • カメレオンコードによる打刻

パソコンやタッチパネルによる打刻の場合、登録する園児を選択して時刻を記録するまでにいくつかボタンを押さなければいけませんが、ICカードやバーコードを使う場合はリーダーにかざすだけなので操作に時間がかかりません。規模の大きな保育園では、打刻に時間がかからないタイプを選択した方が混雑を避けられて良いと思います。

メリット

登録されたデータは自動的に集計されるので、行政に提出する保育時間報告書の作成や延長保育料の計算にかかる時間の短縮ができます。

また、今までは保護者との関係性を維持するために、数分の誤差は目をつぶっていた登降園時間も、システム化することで正確に記録できるようになります。保護者自身に記録をつけてもらうようになるので、物理的な作業が減るのも大きなメリットです。

デメリット

このシステムを導入することの懸念点は2つあります。1つは、職員側がシステムに慣れるまでに時間がかかる可能性があることです。誰にでも直感的に使えるようなシステムが増えていますが、特に機械に苦手意識のある方は先入観が先だって操作を嫌がる傾向にあります。導入前にデモ機をさわってみたりして少しずつ慣らしていく必要があるかもしれません。

2つめは保護者の理解が得られない可能性があることです。今までお迎えに数分遅れても延長保育料が請求されていなかったのに、システムを導入したことで記録が厳密になり、料金がかかることに納得できない保護者が出てくる可能性は否定できません。導入の際には保護者へていねいに説明し、告知から導入までの間に試験運用期間を設けるなどの対策が必要かもしれません。

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(2)指導案・保育日誌の作成機能

保育士の皆さんにとっては、保育指導案の作成が一番苦労する業務だと思います。より良い保育をするためには計画的な指導が必要ですが、計画を立てることばかりに重点が置かれて、実施のための準備がおろそかになったり、振り返りの時間を設ける余裕が損なわれては本末転倒です。

指導案作成機能はシステムによっても異なりますが、前回のデータを参照したり、指導案に適切な表現集が用意されていたり、同じ文言を簡単に転記できたりします。中には素案を自動作成してくれるような高機能なものもあります。タブレットを利用したシステムは直感的に操作できるものが多いので、機械が苦手な人でも簡単に操作できると好評です。

メリット

手書きに比べると書き損じたときの修正がしやすく、過去の指導案の転用もしやすくなるので、書類にまとめる時間を短縮することができます。保育支援システムを導入したことで1日およそ1時間の業務時間が短縮できたと話す保育園もあります。

デメリット

それぞれの園で保育における重視ポイントは異なるので、保育システムを導入して指導案のフォーマットが変わってしまうのは困るという園もあることでしょう。システムにあらかじめ設定されたフォーマットではスムーズな移行ができない可能性は大いにあります。

保育システムによってはカスタマイズが可能で、全く同じとはいかないまでも従来の記載項目を反映させたり、従来のフォーマットをそのまま引き継げるものがあります。保育システムを選ぶ際には、園のニーズにきめ細かく対応できる保育システムを選択するのが良いでしょう。

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(3)園児台帳機能

厚労省の補助金を受けるためには、保育システムに園児管理のための台帳機能があることが必須条件です。園児の名前や住所、アレルギーの有無や病歴などの情報を登録します。

メリット

この園児管理台帳は、パソコンが普及し始めたころから利用されるようになりましたが、小規模保育園ではあまり必要性を感じず、手書きで済ませてしまうところも多いようです。大規模保育園でも、人数が多ければ多いほど登録に時間がかかってしまうことから、事前準備が大変とされてきました。

最近リリースされている園児台帳システムは、クラウド管理システムを採用し、保護者の携帯やパソコンから各自で登録してもらうことが可能です。これにより職員の登録作業を削減することができます。園児台帳の一部を保護者と共有することも可能になるので、園と保護者が一体となって園児の健康管理などを行うことができるようになります。

デメリット

現在の主流はインターネットに常に接続するシステムが大半なので、個人情報の管理には厳重な対策が必要です。各システムにはあらかじめセキュリティ対策が講じられていますが、運用に際していま一度管理体制を見直した方が良いでしょう。

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(4)連絡機能・チャット機能

連絡機能は保育園から保護者への連絡をメールやチャットアプリなどで行うものが多いです。個人情報保護の意識の高まりから、連絡網のような手法が使えない現代において、これらの機能は非常に重要な役割を果たしているようです。

メリット

メッセージを一斉配信したり、園だよりをシステム配信できる連絡機能は、保護者から園への連絡にも使えます。お互いの時間を拘束することがないので、お休み連絡をしたくても電話が話し中で繋がらないといったストレスも減ります。

デメリット

園だよりや連絡帳がなくなると、手書きの温かみがなくなってしまって淋しいという声も聞かれます。保育システムを導入しながら、手書きの連絡帳は残しているという園もあります。保育システムを入れたからと言ってすべての機能を使いこなす必要はないので、上手に取捨選択することが成功のポイントかもしれません。

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(5)保護者専用のマイページ機能

保護者専用のマイページ機能を搭載する保育システムも増えています。kidsly(キッズリー)やCoDMON(コドモン)、hugmo(ハグモー)などが、その代表と言えるでしょう。保護者専用のマイページには、園児の写真を掲載したりすることも可能です。スケジュールを共有したり、アンケートを実施できるものもあります。

メリット

マイページ機能を使えば、保護者だけでなく遠方の親戚とも園児の様子を共有できるようになります。マイページはSNSのようなデザインが多いので、利用する保護者も気軽に操作でき、園との距離も縮まるのではないでしょうか。

デメリット

写真をネット上で共有することで、園児の思い出が“形”として残らない点を懸念する声があります。確かに連絡帳やアルバムも全部スマホの中に入ってしまっては味気ないものがありますね。

その解決法の1つとして、hugmo(ハグモー)は写真アルバム作成サービスを提供しています。子どもの写真を集めたアルバムが手元に残ることは、保護者にとっても園児自身にとっても大切な宝物になることでしょう。

まとめ

昔に比べると働く女性は増えました。その結果、少子化が進んでいるにもかかわらず保育園の数は足りていません。預かる園児が増えているのに、保育士の数も不足しているため、職員がこなす業務量は増加しています。

保育システムを導入することで業務の効率化が図られ、保育士の負担を減らすことはできるでしょう。だからと言って、人のぬくもりや温かさまで損なわれてしまっては、質の良い保育にはならないと思います。従来のやり方のいいところは残しつつ、効率が求められる部分にシステムを投入することが、より良い保育の実現につながるのではないでしょうか。