保育士の離職率増加が止まらない!? 保育士を失わないために園ができること。

保育園で預かれる子どもの人数は、配置できる保育士の数によって決まります。そのため保育士が急に辞めてしまうと、園の運営は大きな痛手を負います。ここ数年で新設の保育園は急増しており、今後の人材確保に不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ほかの業種に比べると賃金が安く、サービス残業も多いと言われる保育士は、離職率が高い職業の1つとされています。一方で給与にそれほど差がなくても離職率を下げることに成功している園もあります。そこで、今回はどんな改善に取り組めば保育士が定着するのかを考えてみます。

保育士の離職率

出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」より引用

厚生労働省が2015年に発表した「保育士等に関する関係資料」によると、常勤保育士の離職率は全体で10.3%、そのうち経験14年以上は27.9%と高い水準です。これは結婚・出産・子育てといったライフステージの変化によって、常勤が難しくなるためと考えられます。

次いで目につくのは経験2年未満の14.9%です。そのうち私営は17.9%で、公営の10.1%に比べるとかなり高い数値になっています。経験2年未満の保育士は国家資格を取得して間もなく、最も働く意欲にあふれている時期のはずですが、高い離職率になっているのはどうしてなのでしょうか。

<参考>
厚生労働省:保育士等に関する関係資料

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離職理由として多いもの

出典:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」より引用

東京都福祉保健局が2014年に発表した「東京都保育士実態調査報告書」では、保育士が職場に希望する改善点がまとめられています。

(1)給与・賞与が責任の重さに見合わない

「給与が少ない」と感じている保育士が圧倒的に多いようです。保育士の平均賃金は、約216万円です。これは、全国の一般労働者の平均賃金304万円を大きく下回っています。私営の保育園では、手取りが月13〜15万円のところも少なくありません。「子どもの命を預かる重責に見合わない」という声も上がっています。

(2)職員数が足りない

2番目に多い改善希望は職員の増員でした。保育現場が人手不足を訴えているのは間違いありません。現状では1人の保育士が担当する子どもの数に規定があるものの、実際は担任の子ども以外とも関わりをもちます。環境整備や事務作業などの仕事もある中で、代わりの人がいなければ休憩時間も取れません。ほかの職種に比べて疲弊しやすい環境になっているのではないでしょうか。

(3)事務・雑務が多すぎる

事務作業にも負担を感じている人が多いようです。保育士は子どもと触れ合う時間以外に、日誌や指導案作成、イベントの準備など、やることがたくさんあります。サービス残業をしている保育士も多く、家に仕事を持ち帰っている場合もあります。長時間労働による過労が体調不良を引き起こし、退職の原因にもなっているようです。

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離職した保育士の本音

 

厚生労働省や東京都がまとめた資料では、最も多い保育士の離職理由は賃金の安さと結論付けています。しかしSNS上では、給料が安いことを理解したうえで保育士資格を取得している人が大半であり、実際は給料以外の理由で辞めているとする現役保育士の見解も見られます。ICTキッズでは保育士をやめてしまうホントの理由は、以下の3つが多いのではないかと考えます。

人間関係が難しい

職場の人間関係はどの業種でも難しく、パワハラやモラハラが横行している会社も少なくありません。保育の現場は女性の割合が多くなる傾向があり、女性ならではのトラブルも発生しがちです。職員同士あるいは上司や保護者との関係に悩む人もいます。

残業が多く休みも取りにくい

人手不足が著しい保育の現場。開園時間は朝早くから深夜になる園もあるため、ギリギリの職員数でローテーションさせていると、多少の体調不良では休めず、体を壊してしまうこともあります。保育への熱意が強い人ほど持ち帰り残業をして、十分な休みが取れない……なんてことにもなってしまいます。

理想と現実のギャップが大きい

保育士を目指す人は、当然のことながら子どもが大好きです。子どもの健やかな成長を保護者とともに見守りたいという気持ちを強く抱いています。しかし実際に現場に入ってみると事務仕事が多く、時間に追われて子どもとじっくり向き合う時間が取れないことが多く、理想の保育を実現できないことに気落ちしてしまうケースが多いようです。

あなたの園の保育士を失わないためにできること

保育施設は児童福祉施設に分類され、保育料は国や自治体からの補助が大半です。認可外保育所は比較的自由に保育料を決められるため、英語やスイミングなどの習い事を園で実施することで付加価値をつけているケースもありますが、あまりに高額では園児が集まらず運営が立ち行かなくなってしまいます。

その一方で、制約の多い認可保育所であっても離職率を下げることに成功している園もあります。工夫次第で改善できることはあるはずです。比較的どんな園でも取り組みやすい方法にはどんなものがあるのでしょうか。

良好な人間関係を作る工夫

挨拶から生まれるコミュニケーション

お互いを理解し、認め合うことができなければ、円滑なコミュニケーションは実現できません。特に新人保育士は慣れない環境で不安を抱えやすいため、信頼できる相談相手を見つけたいところです。園長や主任保育士などが率先して挨拶をしたり、こまめに声がけを行うことは、比較的簡単で効果が得られやすい方法だと思います。

また園の運営者は、職員同士がゆっくり話せる時間を設けたり、新人教育に力を入れたり、職員全員を気にかけていることを伝える努力も必要です。そして話をするときは相手の言葉を遮らず、聞き役に徹する姿勢を心がけましょう。一方的に自分の言いたいことを言うばかりで、相手の話に耳を貸さない人は信頼されません。

余裕を生み出す仕組みづくり

「忙しい」という字は「心を亡くす」と書きます。保育士は、業務に追われて精神的に余裕がない状態になっています。常に緊張と隣り合わせの状態でストレスを感じる出来事があれば、パニックになってしまうのも当然です。業務を見直して無駄を省き、休憩が取りやすいシフトを組むなど、心身の余裕が持てる環境にしておくことは大切です。

勤務シフトの改善

保育園の中には、早朝や夜間に開設しているところも少なくありません。保育士は、早朝から夕方まで保育業務を行い、加えて夜までサービス残業をしている人もいます。これでは、体力が持ちませんし、精神的にも参ってしまいます。

経験値をもとにシフトを組んでいる園では、本来必要な人員よりも多めに配置していることが多いようです。保育ICTシステムを利用してシフトを組むと、今までよりも少ない人員で運営できるようになり、その分職員が休みをとりやすくなったという事例が報告されています。

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保育ICTシステムで事務負担を軽減

残業を減らすための取り組みとして、ICT(Information and Communication Technology)を利用するという方法があります。これは、保育ICTシステム等を利用して事務をIT化し、業務負担の軽減を図るものです。既にさまざまなシステムが開発されています。

スマホやタブレットで指導案を作ったり、日誌に入力したりできるので、事務作業の効率化が図れます。園児の情報も把握しやすくなるため、保育の質の向上にも役立ちます。保護者との連絡機能を搭載したものを利用すれば、円滑なコミュニケーションにも一役買ってくれます。

導入に際し補助金を出す自治体も

保育ICTシステム導入には初期費用が少なからず発生するため、補助金を支給する自治体があります。補助金の募集期間は短いことが多いため、日頃から動向をこまめにチェックしておくと良いでしょう。

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まとめ

保育施設は児童福祉施設という性質上、運営にはさまざまな制約があります。しかし国は待機児童解消のために制度を改革し、補助金を設けるなどして後押しする姿勢を強く打ち出しています。地元の自治体などと協力しながら、夢を持って保育士になった人が気持ちよく働ける環境を整え、社会全体で子どもを育てる体制を作り上げたいものです。

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