保育園で気を付けたい!夏に流行りやすい子どもの感染症

こんにちは、ICTキッズ編集部です。そろそろ梅雨入りの便りも届くようになってきました。ジメジメするこの季節はカビの発生に目が行きがちですが、一方で高温多湿な気候を好む菌やウイルスの活動も活発化するため、感染症が流行しやすくなる時期でもあります。夏から秋にかけて注意が必要な感染症について学び、今から対策を始めておきましょう。

手足口病

手足口病はウイルスによって発症し、4歳くらいまでの幼児を中心に夏に流行が見られる急性ウイルス感染症です。原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスですが、原因ウイルスの型の種類が多く、症状に差が出たり、何度も発症する可能性があります。

感染すると3~5日後に口の中や手のひら、足の裏や足の甲に水疱性の発疹が出ます。3人に1人の割合で1~3日ほど38℃以下の発熱を伴うこともあります。症状は比較的軽度で、その多くは数日安静にしていれば自然に治癒します。まれに急性髄膜炎や急性脳炎を生ずることもあるので、発症した場合は注意深い経過観察が求められます。

感染経路と予防法

くしゃみや咳によって病原体が飛散する「飛沫感染」や、皮膚や粘膜などに接触することで感染する「接触感染」が主な経路です。また便の中のウイルスが口に入って感染する「糞口感染」にも注意が必要です。症状が回復した後も2~4週間にわたって口や便からウイルスが排泄されるので、おむつ交換などでも感染が拡大する可能性があります。

ワクチンや予防薬はなく、主な患者も幼児で衛生対策の徹底が難しいため、完全に予防するのは困難です。ただ、大部分は軽症で集団としての問題は少ないと言えます。感染者が出た場合には大人が衛生面に気を配り、こまめに手洗いを行うなどの対策で感染を広げないように努めましょう。また子どもたちにも、くしゃみをするときはティッシュで口元を覆うように習慣づけると良いでしょう。

<参考>手足口病とは:国立感染症研究所

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症です。潜伏期間は5~7日間とされており、39℃前後の高熱とのどの痛みや結膜炎(目の充血)のほか、下痢やおう吐などを伴うこともあります。発熱は5日前後続くので、子どもにとっては少々つらい病気です。特別な治療法や特効薬はないため、治療は対症療法が中心になります。

感染経路と予防法

プールの水を介して感染することが多いために「プール熱」とも呼ばれますが、感染経路はプールだけではありません。「接触感染」や「飛沫感染」「糞口感染」でもうつります。接触感染は、感染している人が触れた蛇口やドアノブなどに他の人が接触することで感染するケースもあるので、注意が必要です。

プールではウイルスを含んだ水が目や口に接触することで感染するため、プールに入る前後にはシャワーをしっかり浴びて、目も洗いましょう。またタオルの共用も避けましょう。普段から手洗いやうがいを励行するほか、感染者が出た場合には不特定多数の人が触れるものをこまめに消毒した方が良いでしょう。

なお、原因となるアデノウイルスはアルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が強いノンエンベロープウイルスで、消毒用エタノールには消毒効果があまり期待できないとされています。プール熱の感染予防には酸性アルコール消毒剤(アルボナースなど)や希釈した次亜塩素酸ナトリウム(台所用漂白剤など)を利用しましょう。

<参考>咽頭結膜熱とは:国立感染症研究所

ヘルパンギーナ(夏風邪)

ヘルパンギーナは発熱と口の中にできる水ぶくれのような発疹が特徴の急性ウイルス性咽頭炎で、代表的な夏風邪です。感染から2~4日ほどで突然発熱し、38~40℃の高熱が1~3日続くほか、のどの痛みや口の中の水ぶくれなどの症状が出ます。のどの痛みが強くて唾液が飲み込めず、よだれが増えることがあります。また発症した場合は脱水症状のほか、まれに無菌性髄膜炎、急性心筋炎などを合併することがあるので注意が必要です。

感染経路や原因ウイルスなどは手足口病と類似する点がたくさんあります。原因となるウイルスは主にエンテロウイルスやコクサッキーウイルスで、ウイルスの種類が多いために何度もかかる場合があります。特効薬などはないので、対症療法を中心とした治療を行います。

感染経路と予防法

手足口病と同様、「飛沫感染」や「接触感染」、「糞口感染」が主な経路です。流行時にはうがい・手洗いや手指の消毒をし、タオルの共用は避けましょう。よだれを拭いたガーゼなどはビニール袋に入れて口を縛って捨てるなど処理にも気を配りましょう。回復後も長期的に便からウイルスが排泄されることがあるため、おむつ交換後の手洗いなども重要です。

<参考>ヘルパンギーナとは:国立感染症研究所

溶連菌感染症(猩紅熱:しょうこうねつ)

2~5日間の潜伏期間を経て、38~39℃の発熱やのどの痛みなど、風邪に似た症状を発症する溶連菌感染症。のどが赤く腫れ上がり、イチゴのようなブツブツの舌になるほか、全身にかゆみを伴う赤い発疹が見られることがあります。

溶連菌とは溶血性連鎖球菌の略で、抗生剤の投与で治癒できる病気です。抗生剤を服用し始めてから2~3日で熱やのどの痛みは和らぎます。ただし菌が残っていると急性腎炎のような重い合併症の原因にもなりやすく、最近は薬が効きにくい溶連菌も増えているため、医師の指示に従って薬を飲みきる必要があります。

感染経路と予防法

溶連菌感染症の感染経路は「飛沫感染」や「接触感染」です。うがい・手洗いなどを励行し、食器やタオルの共用は避けましょう。マスクの着用も効果的です。発症した場合は医師が感染のおそれがないと認めるまでの期間、出席停止の措置が必要とされていますが、症状が落ち着いていれば抗菌剤の内服後1日程度で登園を可能とするケースが多いようです。溶連菌は抵抗力の低下した大人や妊婦にも感染することがあるので注意しましょう。

<参考>A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは:国立感染症研究所

まとめ

今回ご紹介した4つの感染症は、いずれも飛沫感染や接触感染が主な感染経路なので、ウイルスがついた手で目をこするだけでも感染する可能性があります。こういった感染症には、やはり手洗い・うがいが効果的です。幼い子供たちが上手に手洗いやうがいを行うのは難しいですが、毎日の習慣として継続することが一番の予防策になるのではないでしょうか。

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