インクルーシブ保育における課題と必要性と可能性

こんにちはICTキッズ編集部です。アメリカ合衆国のニューヨークは、人種の坩堝(るつぼ)と呼ばれるほど多種多様な人間が集まって生活が成り立っています。肌の色も様々であり、出身の国も様々で、使われている言葉も英語だけでなく、日本語から中国語・韓国語・フランス語・スペイン語・などが使われています。そのため、地域生活区域などをある程度分けて暮らしている地区が存在します。アメリカはニューヨークだけでなく、シカゴ、カリフォルニア、シアトル、ニューメキシコ、マイアミなどどの地域・州でも人種によって区分けされています。それは人々の考え方、生活習慣が異なることによる問題をさけることから自然と区分けされてきました。同じように私たちの学校でも仲良し学級・養護学級として区分けしてきました。今、保育業界・教育業界においてこの枠を取り払おうという動きであるインクルーシブ保育というものがあります。このインクルーシブ保育における課題から、必要性と可能性について考えてまいります。

そもそもインクルーシブ保育とは何なのか?

インクルーシブとは、英語のinclusiveの和製英語であり「包括的な・全てを含んだ」という意味です。直訳をするとインクルーシブ保育とは「包括的な保育」といいかえることができます。具体的には、年齢別・能力別などにクラス分けを行わないで保育を行う保育のことになります。受け入れている全ての子どもを包括的に同じクラスに受け入れるというものになります。

インクルーシブ保育の特徴として、子どもの「参加」行動というものがあります。障害のある子どもや、アガペー症候群の子どものも一つのクラスにいることから、一緒に行動することが難しい状況が生まれます。そのような状況に陥ったときに、子ども一人一人のクラスへの参加行動が生じます。参加しないという行動をとることも、参加行動の一つであります。参加しない子どもに大して参加を促す子ども出てきます。このようなクラスにおける違いから生まれる様々な問題に対しての「参加」行動が生まれてくることで子どもの豊かな成長が促されるといわれています。

インクルーシブ保育の3つのメリット

具体的に子どもの「参加」行動から生まれてくる3つのメリットについて紹介していきたいおもいます。

他人との違いがあるということを知ることができる

同じ学年別などのクラスであれば、多少の身長や体重の違いがあれど成長の発達の違いはありません。ですが、インクルーシブ保育では年齢が異なる子どもも同じクラスに存在します。年が上の子どもからすると、同じクラスに弟や妹のような存在のクラスメイトが存在することになります。そこから、みんな同じという考えよりも先に、違いを知ることができる子どもになります。

違いを踏まえた他人との関わり方を学べる

学年の違いや、発達の違いから自分との違いを学んだ子どもたちは、妹や弟のような存在のクラスメイトとのかかわり方を考えるようになります。妹や弟たちのような存在であれば、自身のリーダーシップを生み出そうとする子どももいます。また、年上の存在に対して追いつこうと努力する子どももいます。違いを知ることで、その違いや差に対して子ども自身が考え行動するようになります。

状況に応じた対応力を身につけられる

子どもたちが違いを踏まえた上での他人とのかかわり方を学ぶゆえに、状況に応じての対応力を生み出せるようになります。同じクラスに年上の子もいれば、年下の子もいる状況であることが考えられます。それにより、年上の子に対する接し方、年下の子に対する接し方も同時に行うことができる状況であるため、結果として状況に応じた対応力を子どもたちはみにつけられるようになります。

日本におけるマジョリティ保育方法とは?

日本の保育では年齢別が当たり前であり、仲良し学級や養護学級などを分けることも当たり前である保育園・幼稚園・子ども園が多いかと思います。教育・保育の現場における区分け・クラス分けの一番の理由は、大人の都合です。学年が同じであるということで、クラス全体における発達の傾向を把握することができます。また養護学級においては、それぞれの障害をもった子どもたち一人一人における個々の教育を行いやすく、対応しやすいためというものがあります。

インクルーシブ保育における課題とは

分け隔てない保育は、個々の協調性や個性を育むには非常に良いように思われますが、危険性が多いのも事実です。それは子どもたちが、個における違いをお互い認識するまでの時間が必要であるということであり、それをどのように理科・認識してもらうかという課程が重要になってきます。事実、大人社会においても個を理解するには時間が必要になり、理解できずに喧嘩別れする場合もあったり、相手を傷つけてしまうことがあります。この違いによる子ども同士の衝突がおこることを前提とする保育をするにあたり課題が存在します。

保育士・教員に求められる幅広い能力の必要性

衝突が起こったとき、もしくはおこりそうなタイミングで、その場にいる保育士や教員が現場でどのように対応できるのかが重要になってきます。どちらか一方に大して非があるような叱り方をしてしまうことは論外ですが、同学年ではない子どもたちや違いがある子どもたちの状況を子どもたちと一緒になって問題を解決できるかが鍵になってきます。

また障害のある子どもたちに対しての対応なども、中には特別な知識を必要とするものもあります。それゆえの養護教諭という資格があります。このような幅広い知識をもっていなければ、場合によっては重大な事態になってしまう場合があります。ですので普通の保育士プラス養護の知識などや、場合によっては外国語の知識も必要になってくるのではないでしょうか。

人との違いを知り・認める環境が子どもの未来を大きく広げる

世界がグローバル化してきていることをはじめ、世界はより身近になってきました。一人一人の違いというものを子どもの段階で知ることができ、それに対応する能力を身に着けていくことで、近くなった世界で活躍していくことができるのではないでしょうか。

今までの日本においては、単一民族国家と呼ばれる程の鎖国的な風習のある国であり、違いがあることを良いことではないように教えてこられました。みんな同じであることの重要性は農耕民族でありグループで生活を必要としてきた日本人であることから生まれた必然的な考えでもあります。

しかし、国際化社会が拡大しアメリカ合衆国のように日本という国も多様性が増えてきています。2020年における東京オリッピックにむけての国策も日本という国を他民族国家への導くものでもあるように感じます。このような人との違いが当たり前になる国での生活においては、他との違いを知り・認められる能力はもっとも重要になってきます。

国際化が進む日本において、このインクルーシブ保育をはじめとする教育方法から日本全体の教育は少しずつ画一性よりも個性を大切にする教育がもとめられているのではないでしょうか。