フィンランドの保育について勉強してみました!~その①~

こんにちは!ICTキッズ編集部の吹野です。今回は自由保育で有名なフィンランドの保育についてお話させて頂きます。よく耳にする“自由保育”とは一体どのような保育なのでしょうか。日本の保育の現状と併せて考えていきたいと思います。

日本の保育の現状

  • 英才教育の需要が増加している。

⇒「優秀な子に育てたい」という学歴社会が生み出した親のニーズに応えようと英才教育を行う園が増加しています。テレビやネットで紹介され、幼児が漢文をすらすら読んでいる姿、暗算を瞬時にする姿、逆立ちをする姿などが話題になり、スーパーキッズなどともてはやすことで、それが正しい育て方だと思い込んでしまうことも多いように見られます。まず、何が正しいのか、どのような保育・教育の仕方が子どもにとって良い影響をもたらすのか、様々な保育方法を知り、理解する必要があるのではないでしょうか。

  • 保育の提供が不十分

⇒共働き家庭が増えている中、保育の提供が不十分であり、各家庭のニーズに合わせた保育を提供できるよう、保育環境の整備が必要だと思います。以上の問題点・原因から、日本の保育をより良くするためにはどうしたらいいのか、子どもたちにとって魅力的な保育のあり方とはどのようなものかを考えていきたいと思います。

自由保育とは・・・?

私が考える自由保育の「自由」とは、選択肢の中から選べる自由というものです。保育者が子どもに対し、「好きにしていいよ」というのは放任で、保育者がある程度の枠組みを提示し、その中で、子どもが自由に主体的な活動ができるような環境を作る必要があります。子どもが遊びから学ぶというのも、保育者の援助が必要です。それがなければ発展しないことやできないことがでてくるからです。そのため、保育者は常に子どもが楽しく遊べるようにするためにはどのようにすればいいか、環境構成やその場に応じた援助を考えていくことが大切です。

子どもがいけないことをした場合に、頭ごなしに叱るのではなく、“なんで”○○するのか、“なぜ”○○してはいけないのかをしっかりと言葉にして伝えることで、子どもは注意された理由を少しでも理解することができます。また、子ども間でトラブルが起きた際には、子どもの気持ちを受け止め、理解した上での援助を考えること、また場合によっては見守ることも必要です。それは、子どもたち同士でどのように解決していけばいいのか、自主的に行動させることで人間関係を理解していくことができると思うからです。さて、次は自由保育と定評のあるフィンランドの保育についてみていきましょう!

フィンランドの保育

 

①フィンランドの保育の基本構造

幼稚園・・・日本の幼稚園や保育園の場合のように、あらかじめ固定された一定の場所に、一定の資格を持った保育者がいて、そこで幼い子どもたちの保育に当たるものです。ただし、フィンランドの場合は、歴史的に古い時代から、幼い子どもへの「教育」と「ケア」とを二分するような考え方をとらなかったので、その後の歴史の中で、現在も、教育とケアとを一体的に提供する場として、日本でのその名称とは関係なく、このタイプの施設が発展してきました。分かりやすい例で言えば、フィンランドでは、幼稚園と呼ばれる施設も、ほとんどすべてが全日制で、そこでの保育の内容は、日本で言えば保育所的な総合的な経験を得させるものであり、そこでは、教育とケアとが同時的に、もしくは総合的に提供されています。日本で言う、幼稚園と保育園が一体化した子ども園のようなものですね。

☆ファミリー・デイケア・・・チャイルドマインダー(child minder=子どもの面倒を見る人という意味)と呼ばれる女性が、自分の子どもを含めても4人以内、自分の家に近所の子どもたちを集めて保育する形のものを言う。チャイルドマインダーになる人は、自治体で認可された人でなくてはならず、フィンランドでは、そのほとんどは自治体によって雇用されて、自治体から給与が支給されています。日本にもチャイルドマインダーはありますが、未だ浸透されていないように思います。

☆プレイ・アクティヴィティー・・・就学前児に焦点を当てている場合には、それは、幼稚園に通っていない子どもを主たる対象として、運動場を使って子どもたちに教育的な刺激や、その補助的な活動を提供しています。そのためのいろいろな遊び活動を提供できる専門的な訓練を受けた人が指導者として位置づけられています。このため、このようなプレイ・アクティヴィティーは、ガイデッド・アクティヴィティーと呼ばれることもあり、これに近い目的をもって発達したものには、オープン・デイホームや、オープン・チャイルドケア・センターがあります。「オープン」と名付けられたこのような施設へは、普通は幼稚園(デイケア・センター、デイホーム、プリスクール・チャイルドセンター、などとも呼ばれる)に通っていない子どもが、親やチャイルドマインダーに付き添われて自由に来ることができます。

このようにフィンランドには各家庭のニーズに合わせた保育環境が整っており、保育の質も高く充実した内容になっています。保育園不足を解消するために、保育園を増設することも一つの方法ですが、フィンランドの保育環境を参考に、多様な保育環境をつくることで解決する問題も多いのではないでしょうか。しかし!日本でも少しずつ、新しい保育の形ができ初めているみたいです・・・!

保育ママとは?

最近注目されているのが、“保育ママ” 仕事などで保育ができない保護者に代わり、主に3歳未満の子どもを自宅にて有料で預かる保育者あるいは保育施設の総称です。家庭福祉員、家庭的保育者とも呼ばれます。平成22年4月の自動福祉法の改正に伴い、家庭的保育事業として法律化されました。

※ 全ての自治体で実施されているわけではなく、開業を考える場合にはお近くの自治体に確認が必要です。(自治体の制約を受ける)

http://www.hoiku-shigoto.com/report/male-nurse-career/nursing/#82208221参照)

 

今後、潜在保育士や子どもを育てた経験のある保育ママが増加することで日本の待機児童を減らす要因の一つになることを期待しましょう!続きまして、幼稚園の特徴についてご説明いたします。

幼稚園の一般的性格

①幼稚園の目的

フィンランドの幼稚園は「教育とケア」の両者を意識して保育が提供されてきました。教育とケアとの一体的な提供という性格は、その後もフィンランドの保育の特徴として受け継がれて今日に至っていいます。現在の幼稚園の一般的目的も、それは、子どもを全体として養育し、子どもの人格を全体的に発達させる支援をすることであり、もちろん、義務教育をひかえた6歳児に対しての幼稚園の役割は、それにふさわしい内容の就学前教育を提供するという役割をもっています。フィンランドでは、幼稚園は、すべての市民が利用できる一般的なサービスシステムの一部であり、その目的は、就学前のこの時期の成長に合った教育とケアとを統合的に提供することです。

◎日本の幼稚園は、教育とケアとを統合的に提供するフィンランドの保育とは異なり、幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長する(学校教育法第22条)ことが目的であり、満3歳から小学就学の年までを対象としています。(http://school.js88.com/scl_p/contents/commentary#03参照)

②幼稚園の保育時間など

フィンランドの幼稚園の開園時間や閉園時間は、一般的に親の就労時間によってまちまちです。若干の幼稚園は早朝の5時半から開園し、また、若干のものは午後7時に閉園します。ただし、1人の子どもが幼稚園にいる1日の在園時間は、10時間を超えてはならないことになっています。交代制などで働いている親たちのために、24時間開園している24時間幼稚園も存在しています。日本の幼稚園の保育時間は、9時~14時までが一般的ですが、最近は多くの幼稚園で預かり保育や延長保育が実施されているため、実質的に17時頃までになっています。近年では、3歳の誕生日を迎えたら入園できる制度や、就園前に親子で参加する教室も増えています。

http://www.mammys-f.jp/corporation/different.php参照)

まとめ

フィンランドと日本の保育環境、保育形態の違いについて触れてきましたが、基本的な保育の考え方が異なることを知りました。フィンランドは社会の情勢に合わせて、保育環境を整備しているのに対し、日本では社会の変化に対応しきれていない部分が多少なりともあり、それが待機児童などの問題に繋がっているのだと思います。これからは社会情勢にあわせた保育環境の整備が必要なのではないでしょうか。

 

次回、“フィンランドの保育について勉強してみました!”の第二弾!

フィンランドの保育の特色について日本との違いを見ていきましょう。

 

◆参考文献◆

・ 自由保育とは何か(著者 立川多恵子・上垣内伸子・浜口順子/発行所 株式会社フレーベル館)
・ 世界の幼児教育・保育改革と学力(著者 泉千勢・一見真理子・汐見稔幸/発行所 株式会社 明石書店)
・ フィンランドの子育てと保育(著者 藤井ニエメラみどり・高橋/発行所 株式会社 明石書店)

フィンランドの保育について勉強してみました!~その②~